うつ病になってみて、感じたこと

うつ病

「動けない。はずかしい。無味無臭。白黒。」

これが、うつ病になったときの私の正直な感覚です。
まるで世界から色が消えたような、音が遠のいたような、そんな日々。
今回は、私がうつ病を経験して感じたことを、ありのままに綴ってみたいと思います。

「動けない」という現実

朝、目が覚めても、布団から出られない。
仕事に行かなきゃ、と思っても、身体が鉛のように重くて動かない。
ただ横になって、天井を見つめるだけで一日が終わってしまう日もありました。

「サボってるだけじゃないの?」と自分を責めたこともあります。
でも、それは違うんです。心が限界を超えて、体まで止まってしまった――そんな感覚でした。

「はずかしい」と思ってしまう自分

動けない自分を「情けない」と思ってしまう。
誰にも言えずに、「こんな自分はダメだ」と心の中で何度も責めていました。

特に、周りの人が普通に働いていたり、楽しそうに過ごしている姿を見ると、自分がとても小さく感じました。
「なんで自分だけがこんななんだろう」
「もっと頑張らなきゃいけないのに」
そんな気持ちで、自分を追い込んでいました。

でも今ならわかります。
うつ病は「怠け」じゃない。病気なんです。
はずかしいことなんかじゃない。誰にでも起こりうることなんです。

「無味無臭」の世界

食べ物の味がしない。
音楽も映画も、本も人の会話も、どこか遠く感じる。
以前は心が動いていたものが、何も感じられなくなる――そんな状態でした。

まるで世界が、無味無臭になったような感覚でした。
好きだったものが、ただの「作業」になってしまう。
笑っていても、心は動いていない。
それが一番つらかったかもしれません。

白黒の世界で

うつ病になってから、心の中の色が消えてしまったように感じていました。
「楽しい」「嬉しい」という感情がなくなって、あるのは「不安」や「絶望」ばかり。
白と黒しか存在しない、そんな世界に閉じ込められていたような気がします。

でも、少しずつ――本当に少しずつですが、色が戻ってくる瞬間がありました。
「今日はいつもより少し気持ちが軽いかも」
「この音楽、ちょっと懐かしいな」
そういった小さな変化に気づけたとき、「回復への一歩」を感じられたんです。

今、伝えたいこと

もし、今のあなたが「動けない」「つらい」「何も感じられない」と思っていたとしても、
それは、あなたが弱いからではありません。
ただ、心が疲れているだけなんです。

私は今も、波を繰り返しながら、ゆっくり回復の道を歩いています。
この経験を通して思うのは、「焦らなくていい」「自分を責めないでほしい」ということ。

そして何よりも伝えたいのは、
「あなたはひとりじゃない」ということ。

今は白黒の世界かもしれません。でも、必ず少しずつ色は戻ってきます。
私も、あなたと一緒に、少しずつ色を取り戻していきたいと思っています。

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