先日、転職先の会社のご厚意で、他社が主催する人事カンファレンスに参加させていただきました。
正直に言うと、こうした大きなイベントに「一人で参加する」というのは、以前の私にとってはかなりハードルの高いことでした。
けれど今回は、「今の自分を少しでも前に進めたい」「人事という分野で新しい視点を得たい」という思いを胸に、思い切って参加を決めました。
学びの多い時間──人事の“今”と“これから”を知る
カンファレンスでは、社会保険労務士の方々による専門的な講演や、実際に人事評価制度を導入した企業の事例発表などが行われました。
理論だけでなく、「導入前と後でどんな変化があったのか」「社員の反応はどうだったのか」といったリアルな話を聞けたのがとても印象的でした。
特に心に残ったのは、「評価制度は、数字をつけるための仕組みではなく、社員と組織が成長し合うための“会話のきっかけ”である」という言葉。
人事の仕事をしていると、制度設計やルールづくりに意識が向きがちですが、その根底にあるのは“人を理解し、支えること”なんだと改めて感じました。
講演を聞きながら、「ああ、自分はやっぱり“人の成長を支える仕事”がしたいんだな」と、原点を再確認するような気持ちになりました。
新しい出会いがくれた“つながり”という財産
今回のカンファレンスでは、たくさんの方と名刺交換をさせていただきました。
同じように人事の仕事に携わる方、社労士として企業を支えている方、これから独立を考えている方…。
それぞれが違う立場で、でも同じように「より良い職場をつくりたい」という思いを持っていて、その熱意に心を動かされました。
特に嬉しかったのは、私が将来的に目指している“メンタルヘルス×労務”という分野に共感してくれた方々がいたこと。
「もし将来、あなたがそういう事業を立ち上げるなら、ぜひ一緒に何かやりたい」と言ってくださった方もいて、本当に心強く感じました。
うつ病を経験してから、人との関わりに対して臆病になっていた時期もありました。
でも、「人とのつながりが、自分を再び前に進ませてくれる」——今はそう実感しています。
一人で行けたこと、それ自体が「前進」
今回、私にとって一番大きな収穫は、「一人で行って、人と話せた」という事実そのものかもしれません。
うつ病の療養中は、人と会うこと自体が怖く感じる時期もありました。
何を話せばいいか分からない、うまく笑えない、相手の目を見るのがつらい——そんな状態から、少しずつ立ち上がってきた今。
こうして人の集まる場に自分の意思で参加し、知らない人と話せたことは、私にとって大きな一歩でした。
カンファレンスの帰り道、会場を出た瞬間に感じたあの高揚感は今も忘れられません。
「ちゃんと、自分は前に進めているんだな」
そう心の底から思えた瞬間でした。
「人との出会い」は、自分の未来を形づくる
うつ病を経験したことで、私は“働く”ということを改めて見つめ直しました。
仕事は単なる労働ではなく、人との関わりを通して自分を成長させる場でもある。
そして、今回のようにカンファレンスに参加することで、新しい視点や仲間に出会える場でもある。
もし、今の自分に自信が持てない人がいたら——
まずは小さくてもいいので、「新しい場」に一歩踏み出してみてほしい。
話しかけられなくてもいい、座って聞いているだけでもいい。
きっと、その場の空気の中に、「次の一歩」を見つけるヒントがあるはずです。
最後に──未来への希望を持って
今回の経験を通して感じたのは、「学び」と「出会い」が人生を豊かにしてくれるということ。
うつ病を経験した今だからこそ、私は“無理なく続けられる前進”を大切にしたいと思っています。
これからも、こうしたイベントや勉強会には積極的に参加していきたい。
そして、同じように人事やメンタルヘルスの分野で悩みながら頑張っている人たちとつながっていけたら嬉しいです。
「行ってよかった」と心から思える日が、また一つ増えました。
この経験を糧に、私はこれからも自分のペースで歩んでいきます。【一歩踏み出した先で見えた景色】人事カンファレンスに参加して感じたこと

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