こんにちは。
今日は、「休職から復職する」というテーマについて、少し自分の経験を交えてお話ししたいと思います。
私は現在、うつ病の治療を続けながら、段階的に職場復帰を進めている最中です。
休職という選択をしたのも、簡単なことではありませんでしたが、それ以上に「復職のタイミング」や「どのように復職するか」を考えるのは、とても難しい問題でした。
特に、私は労務管理に関わる仕事をしていることもあり、いわゆる“制度としての復職”と、“実際の気持ちや体調に沿った復職”とのギャップに悩むことが多くありました。
労務の観点から見る「復職」の定義
まず、労務の視点から復職という言葉を整理すると、「原職復帰」が原則です。
つまり、休職前と同じ職場・業務内容・勤務条件での復帰が、制度上の「復職」とされています。
ただし、現実的にはそううまくいかないケースも多いですよね。
心身の状態が万全ではなく、主治医から「現職への復帰は難しい」と判断されることもあります。
そういった場合には、勤務形態や勤務時間の変更、配置転換、異動などの調整を行って、本人の負担をできる限り減らす形で復職が進められることになります。
このように制度上は「現職復帰」が基本とされつつも、実務上は“柔軟な復職の形”が求められているのが、今の現場の実情ではないかと思います。
私の場合:勤務時間の短縮から、パート勤務へ
私自身も、復職にあたって段階的な調整を行いました。
最初は、元の業務内容のまま勤務時間を短縮してもらい、週3〜4日、1日4時間程度の出勤から再スタートしました。
それでも最初のうちは、午前中に出勤するだけで精一杯で、帰宅後はぐったり。
「やっぱりまだ働くのは早すぎたかな…」と不安になることもありました。
そして数ヶ月後、体調や働くペースを改めて見直した結果、会社とも相談して正社員からパート勤務へと働き方を変更してもらいました。
正直、最初は「キャリアダウンしたようで悔しい」と感じる気持ちもありました。
でも、それ以上に「今の自分にとって無理のない働き方に変えていくことの大切さ」を実感するようになりました。
「フルタイムで働けない自分」に罪悪感を持たない
私は労務の仕事をしていることもあり、「正社員であること」や「フルタイムで働くこと」に対して、どこかで“当たり前”だと思っていた部分がありました。
だからこそ、パート勤務になることを決めたとき、
「戦線離脱したような気がする」
「迷惑をかけてしまっているのでは」
といった、いろんな感情が湧き上がってきました。
でも、ある時ふと、主治医の一言に救われました。
「“働く”って、フルタイムだけじゃないですよ」
その言葉に、はっとしました。
確かに、「働く」という行為そのものが、自分のリズムで社会とつながり続ける方法なのだと考えれば、フルタイムかどうかは本質的な問題ではないのかもしれません。
復職の形に“正解”はない
私のように、勤務時間を短縮してから勤務形態を変える人もいれば、
まずは軽作業から始めたり、まったく別の職種に転職することで「再スタート」を切る人もいます。
重要なのは、「今の自分にとってどんな働き方が最適なのか」を考え、それを職場と共有しながら調整していくことだと思います。
「制度がこうだから」
「正社員だから戻らなきゃ」
「周りに迷惑をかけないようにしないと」
そんなふうに考えすぎてしまうと、自分自身がどんどん苦しくなってしまいます。
無理をしない復職が、長く働くための近道
復職はゴールではありません。
むしろ、“再スタート”であり、“調整の始まり”だと私は思います。
焦らず、自分の心と身体の声を聞きながら、
必要なら少し立ち止まり、必要なら戻ってもいい。
そして、もし今、あなたが復職について悩んでいるのなら——
どんな形であれ、「働けるようになりたい」と思うその気持ちこそが、あなたの力です。
あなたに合った復職の形を、あなただけのペースで、少しずつ見つけていってください。
最後に
私は今、パート勤務という形で仕事を続けながら、少しずつ自分の体調と向き合っています。
「いつかまた正社員に戻れるように」ではなく、「今、この働き方で心地よく働けているか」を大切にしながら。
休職から復職への道のりは、人それぞれです。
正解なんてありません。
大切なのは、あなた自身が納得できる形で、社会との接点を取り戻していくこと。
この文章が、同じように悩んでいる誰かの背中を、ほんの少しでもそっと押すことができたなら——
それ以上に嬉しいことはありません。
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