最近、自分のうつ病について考えることがあります。
もちろん、うつ病の原因は一つではありませんし、医師から「あなたの原因はこれです」と言われたわけでもありません。ただ、自分なりにこれまでの人生を振り返ってみると、一つ思い当たることがあります。
それは、「心に大きな隙間ができてしまったこと」です。
私は以前、義兄と一緒に会社を経営していました。当時は文字通り人生を懸けていましたし、休みの日も仕事のことを考え、もっと良い店にしたい、もっと多くのお客様に喜んでもらいたいと必死でした。
今思えば少し危ういほど仕事中心の生活だったのかもしれません。しかし、その頃の私は毎日が充実していました。大変なことはたくさんありましたが、自分が進むべき方向が見えていたからです。
ところが、その会社を辞めることになりました。
理由はプロデューサーのパワハラですが、それ以上に私にとって大きかったのは「人生を懸けていたものを失った」という事実でした。
当時の私は、その喪失感をうまく言葉にできませんでした。ただ、心にぽっかりと大きな穴が空いたような感覚だけが残っていたのです。
楽しかったことが楽しくなくなった
会社を辞めた後、それまで好きだったことにも興味が持てなくなりました。
昔は楽しめていたサーフィンも、夢中になっていたゲームも、嫌いになったわけではありません。それなのに以前のように心から楽しめなくなっていたのです。
「やれば楽しいはずなのに楽しくない」
そんな感覚が続いていました。
今振り返ると、それは単なる趣味への飽きではなかったように思います。人生を懸けていたものを失い、その代わりになるものが見つからないまま、心の隙間だけが残り続けていたのではないか。そんなふうに考えるようになりました。
隙間を埋めたら変わるのだろうか
そこで最近、私は一つの仮説を立てています。
もしこの心の隙間がうつ病の一因だとしたら、その隙間を少しずつ埋めていくことで症状も改善していくのではないか。
もちろん、これは医師から言われた話でもなければ、医学的な根拠がある話でもありません。あくまでも、これまでの自分の経験や人生を振り返る中で感じている、私個人の仮説です。
うつ病の原因は人それぞれですし、同じ病名であっても背景やきっかけは大きく異なります。だから、この考え方がすべての人に当てはまるとは思っていません。
もちろん、うつ病はそんな単純な病気ではありません。薬も必要ですし、休養も必要です。運動や生活習慣の改善も大切です。
それでも私は、自分の心の中にある空白を放置したままでは、本当の意味で前に進めないような気がしています。
うつ病になってから、「何を失ったのか」について考えることはあっても、「何を取り戻したいのか」について考える機会は意外と少なかったように思います。
だから今は、心の隙間を埋めることも、私にとっては回復のための大切な取り組みの一つなのではないかと考えています。
最近取り組んでいること
そのために最近はいくつかのことに取り組んでいます。
一つは、実家の家族との関係修復です。私の場合、精神疾患のきっかけの一つとなったパワハラと、その後の家族とのやり取りが今も心に残っています。
当時は苦しさの中で物事を冷静に考える余裕がなく、家族との関係もうまくいきませんでした。だからこそ今は、過去の出来事を整理しながら少しずつ関係を修復していきたいと思っています。
もう一つは、精神疾患で苦しんでいる人の役に立つ活動です。このブログもその一つです。自分が経験したことを書くことで、誰かの不安を少しでも軽くできるかもしれない。そう考えると、自分の経験にも意味があったと思えるようになりました。
そして、飲食業向けの労務コンサルティングに向けた準備も始めています。まだ種まきの段階ですが、自分がこれまで経験してきたことや学んできたことを活かせるかもしれないと思うと、不思議と前向きな気持ちになります。
心は少しずつ満たされていく
正直に言うと、「これをやったから治った」という話ではありません。
今も症状の波はありますし、不安になる日もあります。「本当に良くなっているのだろうか」と考えてしまう日もあります。
それでも、以前と比べると心が少しずつ軽くなっている感覚があります。
何か劇的な変化があったわけではありません。しかし、心に空いていた穴がほんの少しずつ埋まってきているような感覚は確かにあります。
もしかすると、うつ病の回復とは薬や休養だけではなく、失ったものを整理し、新しい意味や役割を見つけていく過程でもあるのかもしれません。
心の隙間を埋めるために大切だと思うこと
これはあくまで私自身の考えですが、心の隙間を埋めるためには「誰かとつながること」や「自分の役割を持つこと」が大切なのではないかと思っています。
もちろん、すぐに大きな目標を見つける必要はありません。
家族と話をする。
友人に連絡してみる。
少し散歩をしてみる。
誰かの役に立つ行動をしてみる。
そんな小さなことでもいいのだと思います。
私自身もまだ回復の途中ですが、何かを失った悲しみだけに目を向けるのではなく、これから何を積み上げていけるかを考えるようになってから、少しずつ前を向けるようになってきました。
おわりに
私は今でも、自分のうつ病の原因を完全には理解できていません。
ただ、人生を懸けていたものを失ったことが大きな出来事だったのは間違いないと思っています。そして、その時にできた心の隙間が、今の自分にも影響を与えているような気がしています。
だからこそ今は、失ったものを嘆くだけではなく、新しい意味や役割を見つけていきたいと思っています。
もし今、同じように心にぽっかり穴が空いたような感覚を抱えている方がいるなら、自分の「心の隙間」が何なのかを考えてみるのも一つかもしれません。
すぐに答えは見つからないかもしれません。しかし、その隙間を少しずつ埋めていくことで、見える景色が変わってくることもあるのではないでしょうか。
少なくとも私は、そんな希望を持ちながら今日も一歩ずつ前へ進んでいます。
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