こんにちは、nobuです。
大変な業界である飲食。従業員から仕事がつらい、最近しんどいと相談されることは多いかと思います。そんなとき、店長としてどうすればいいのでしょうか。励ました方がいいのか、休んでもらった方がいいのか、それとも会社に相談した方がいいのか。すぐに答えを出すのは難しい問題です。
私自身、飲食店の現場・経営を経験し、精神疾患を患った今、大切だと感じているのは店長だけで答えを出そうとしないことです。まずは本人の話を聞き、そのうえでお店や会社にできることを考えていくことが大切だと思っています。
今回はとても経営をしていくうえで難しい問題ですが、それ以上に大切な話ですので、是非ご覧ください。
まずは本人の話を聞く
従業員から仕事がつらいと相談されたとき、すぐに解決策を出す必要はありません。まず確認したいのは、何がつらいのか、今どんな状態なのか、働くうえで何に困っているのかということです。
ここで、ほかの人はできている、もっと頑張れるなどと比べるのは避けたいところ。同じ仕事でも、その人の経験や置かれている環境、そのときの心や体の状態によって感じ方は変わります。
厚生労働省も、職場のメンタルヘルス対策として、上司などが従業員からの相談に対応することや、仕事の量・労働時間・人間関係など、職場の環境を確認して改善することを示しています。一方で、店長が本人の様子だけを見て病気だと決めつけるものではありません。まずは働くうえで困っていることを確認することが大切です。
私なら、話を聞いてその日は仕事を続けるのが難しそうであれば、まず休んでもらいます。そのうえで、次のシフトに出勤できそうか、いつまでに連絡してもらうかなど、必要な連絡について決めておきます。
休んでもらった後に何度も仕事の連絡をすると、それ自体がプレッシャーになり症状が悪化する可能性があるため、必要な連絡のタイミングをあらかじめ決めて、休むときにはきちんと休めるようにすることも大切です。
人が休んだら、お店側もやり方を変える
飲食店では、一人休むだけでも営業への影響が大きくなりますよね。私が飲食店を運営していたときも少人数で営業していたため、一人ひとりの負担は決して小さくありませんでした。
実際に、仕事内容がつらいと相談を受けたことがあります。そのときは、できる範囲でシフトを調整しました。その後は本人にも少しずつ仕事を覚えてもらい、少ない人数でも働けるようになっていきました。ただ、少ない人数でも営業できたからといって、それを当たり前にしてはいけないと思っています。人が休んだとき、残った従業員だけに頑張ってもらう事は更なる不調者を出す恐れもあり、避けたいところですよね。
お店側が営業のやり方を変える方法もあります。私の場合、人手がどうしても足りない日は、テーブルや椅子を減らして、最初から使える席数を少なくしていました。お客様をご案内するときにも、本日は少しお待たせしてしまうかもしれません、と笑顔で一言伝えていましたね。
席数を減らす。業務量を調整する。お客様にもあらかじめ伝えておく。
従業員を休ませた結果、その負担をほかの従業員にそのまま背負わせるのではなく、お店側でできることを考えることも、一つの方法だと思います。
話を聞いて終わりではなく、原因を確認する
本人の話を聞いた後は、仕事の中に変えられる部分がないか確認します。仕事の量が多すぎるのか、人員配置に無理があるのか、人間関係なのか、教育の方法なのか。お店や会社に原因があるなら、できるところから実際に改善していきましょう。
人間関係について相談された場合も、本人の話だけを聞いて誰かを悪いと決めるのではなく、必要に応じて別の人からも話を聞きます。もし店長自身との関係が原因なら、店長だけで解決しようとせず、上司など別の人に相談できるようにした方がいいと思います。
厚生労働省も、職場のメンタルヘルス対策では相談を受けるだけでなく、労働時間や仕事の量と質、人間関係、職場の仕組みなどを確認し、職場環境を改善することが大切だとしています。
そして、店長だけで抱え込まないことも大切です。会社に人事・労務担当者や産業医がいる場合は、必要に応じて連携します。産業医とは、働く人の健康管理について、専門的な立場から会社に助言などをする医師です。※常時50人以上の従業員を使用する会社(正確には、事業場単位)では、産業医を選ぶ必要があります。
たとえば、従業員 → 店長・上司 → 人事・労務 → 産業医
という形で、それぞれの立場から支えることができる。店長が病気を判断したり治したりするのではなく、本人の話を聞き、職場としてできることを考え、必要な人につなぐことが大切です。
産業医がいない規模の飲食店でも、店長一人ですべてを抱える必要はありません。本人の状態や関係性に応じて、心療内科や精神科などの医療機関、カウンセリング、外部の相談窓口などを案内することも考えられます。
厚生労働省の「こころの耳」には、働く本人だけでなく、家族や会社の人事・労務担当者などに向けた情報や相談窓口もあります。店長や会社側も、困ったときに相談できる場所をあらかじめ知っておくと安心です。
なお、本人から聞いた健康に関する情報は慎重に扱う必要がありますので、誰にどこまで伝える必要があるのかは、本人の気持ちやプライバシーにも配慮しながら、会社として必要な対応も含めて考えることが大切です。
大切なのは、不調になる前の職場づくり
私自身が精神疾患を経験して、以前より強く感じるようになったことがあります。
メンタルヘルスは、不調になってからの対応だけでなく、その前の職場づくりがとても大切なこと。
厚生労働省も、職場のメンタルヘルス対策として、本人だけでなく、上司や産業医なども含めて取り組む考え方を示しています。上司には相談を受けるだけでなく、職場の環境を確認して改善していく役割もあります。また、普段と違う様子に早く気づくことも大切です。先ほどリンクを貼った「こころの耳」でも、上司が日頃から部下の様子を気にかけ、変化に早く気づくことがメンタルヘルス不調の予防につながると紹介されています。
ですが、普段との違い・変化に気づくには、普段のその人を知っていなければなりません。
私は飲食時代、月に一度、勤務時間内に1on1ミーティングを行っていました。日頃から話せる関係を作ったり、仕事の量や人員配置に無理がないかを見たり、一人ひとりが働きやすい環境を考える。こうした普段の店づくりそのものが、メンタルヘルスを考えるうえでも大切と思っているところです。
従業員から仕事がつらいと相談されたからといって、本人の希望をすべて受け入れることが正解とは限りません。会社やお店にも、できることとできないことがあります。だからこそ、まず話を聞く。何が起きているのかを確認する。お店や会社に変えられるところがあれば変える。必要なら上司、人事・労務、産業医などにつなぐ。
従業員にとっても会社にとっても、どうするのがいいのかを考えていくことがコミュニケーションを重ねること。ヒトを大事にする店づくりに、いつも明確な答えがあるわけではありません。それでも、目の前の従業員と会社の両方についてきちんと悩み、そのときにできる答えを探していく。
私は、その姿勢もヒトを大事にするということだと思っています。
メンタルは大事ですので、普段から良い環境を作っていきましょうね。
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