精神疾患で休職すると、「休んでいる間に何をすればいいのだろう」と悩むことがあります。何もせずに寝ていた方がいいのか、少しは運動した方がいいのか、それとも復職に向けて、早く生活リズムを整えた方がいいのか。
私はもともと考えすぎてしまう性格なので、考えれば考えるほど、何が正解なのか分からなくなることがありました。
私自身、休職を経験する中で、その時々の心や体の状態に合わせて過ごし方を変えてきました。ほとんど何もできず、横になって一日を過ごす時期もあれば、少し元気が戻ってから、家事や軽い運動を始めた時期もあります。
振り返ってみると、休職中の過ごし方に一つの正解はありません。
この記事では、私自身の経験をもとに、休職直後から復職準備までの過ごし方を整理しています。休職中の過ごし方や復職の時期は、症状や治療の状況、勤務先の制度などによっても変わるため、主治医の指示や会社の就業規則などを確認しながら進めてください。
休職中の過ごし方に正解はない
休職中の過ごし方は、人によって違います。とにかく寝て過ごす人もいれば、少しずつ散歩を始める人もいる。家事をしたり、本を読んだり、動画を見たり、何もせずに一日を終えたりする日もありましたね。
私も、そのほとんどを経験しました。
同じ人であっても、日によって状態は変わります。昨日は散歩ができたのに、今日は布団から起き上がれない。少し回復してきたと思った後に、また気持ちが沈んでしまうこともありました。
私にも、そんな日が何度もありました。
休職中は、元気に働いている人の生活や、ほかの人の回復体験と自分を比べてしまいがちです。「あの人はもう運動を始めているのに、自分はまだ寝てばかりだ」と、勝手に落ち込んでしまうこともありました。
でも、今の自分に必要な過ごし方が、ほかの誰かと同じとは限りません。
大切なのは、「休職中はこう過ごさなければならない」と決めつけることではなく、そのときの心と体の状態に合わせて過ごすことだと思っています。
休職直後は、回復を最優先にする
休職した直後は、自分で思っている以上に、心も体も大きく消耗しています。そんな時期に、無理に生活を立て直そうとしたり、新しいことに挑戦したりする必要はありません。
眠れるのであれば眠る。横になりたいのであれば横になる。食事や通院など、必要最低限のことだけを行う。それだけで十分な時期もありましたね。
何もしないことも、回復するために必要な時間です。
それでも、仕事を休んでいると、罪悪感が湧いてくることがあります。
- 仕事をしていない自分には価値がない
- 家族や職場に迷惑をかけている
- 早く元気にならなければならない
私も、体は休んでいるはずなのに、心の中ではずっと焦っていました。主治医からも「焦らずに休んでください」と何度も言われていたのですが、当時の私はなかなか受け入れられなかったんですよね。
「焦っても回復が早くなるわけではない」と頭では分かっていても、気持ちは簡単についてきませんでした。
調子が少し良い日に、できることを一気に詰め込んでしまい、翌日は何もできなくなる。そんなことも何度か繰り返しました。少し元気になったように感じても、すぐに以前と同じ生活へ戻ろうとしない方がよかったのだと思います。
休職直後は、何かを成し遂げる時期ではありません。
まずは、自分をしっかり休ませる時期です。
休職直後の過ごし方を詳しく読む
休職中に私が大切だと感じた「寝る」「休む」「ストレスの原因から離れる」という3つの考え方については、次の記事で詳しく書いています。

少し動けるようになったら、生活を整える
十分に休み、少しずつ心や体に余裕が戻ってくると、「何かしてみようかな」と思える瞬間が出てきます。そのときも、一気に元の生活へ戻すのではなく、小さなことから始めるようにしました。
たとえば、短い時間だけ散歩をする。簡単な家事を一つだけやってみる。朝起きる時間を、ほんの少し早くしてみる。そんなふうに、今の自分にできることを少しずつ増やしていきました。
大切だったのは、動けた当日だけでなく、翌日の体調まで見ることです。その日は元気に動けても、次の日に強い疲れが出てしまうことがありました。そんなときは、「まだ少し活動量が多かったのかな」と考えるようにしていましたね。
できることを増やすよりも、無理なく続けられる範囲を探していく。
この考え方は、復職の準備を進めるうえでも大切だったと感じています。
また、回復の途中では、体調の波もありました。前より動けるようになったと思ったのに、再び何もできなくなる。少し外出しただけで、思っていた以上に疲れてしまう日もあります。
そのたびに、「また悪くなってしまったのではないか」と不安になりました。でも、一日だけの状態で自分を判断すると、小さな変化に振り回されてしまうんですよね。
少し長い期間で振り返ってみると、以前より外出できる日が増えていたり、人と会った後の疲れ方が変わっていたりすることもあります。すぐに結果を求めるのではなく、少しずつ生活を取り戻していけばいいのだと思います。
復職に向けて動き始めた体験を読む
朝起きることや軽く体を動かすことなど、復職に向けて少しずつ行動を始めたときの体験はこちらです。
回復の小さな変化や、少しずつ進めることの大切さについては、次の記事でも書いています。
復職前に確認しておきたいこと
少しずつ生活を整えられるようになると、復職について考え始める時期がやってきます。ただ、「働きたい」と思うことと、実際に働き続けられる状態であることは、同じではありません。
私自身、復職したいという気持ちばかりが先に強くなっていた時期がありました。だからこそ、復職前には気持ちだけでなく、日々の生活がどこまで整っているのかを振り返る必要がありました。
たとえば、次のようなことです。
- 朝、勤務日に近い時間に起きられるか
- 日中に起きて過ごせるか
- 一定時間、何かに集中できるか
- 通勤を想定した外出ができるか
- 外出や活動をした翌日に、大きく体調を崩さないか
- 睡眠や食事のリズムが大きく乱れていないか
これらは、復職できるかどうかを自分だけで判断するための基準ではありません。今の状態を自分なりに整理し、主治医や会社へ伝えるための材料として考えていました。
復職するためには、主治医だけでなく、会社との確認も必要になります。診断書の提出、産業医との面談、勤務時間や業務内容の調整など、必要な手続きは会社によって異なるものです。
復職を急ぐあまり、分からないことをそのままにしてしまうと、後から不安が大きくなるかもしれません。気になることがあれば、会社の担当者へ一つずつ確認しておいた方が安心です。
また、主治医が復職できると判断しても、会社がすぐに復職を認めるとは限りません。本人、主治医、会社では、それぞれ見ている部分が違います。
その違いによって、復職したい本人が「会社から否定された」と感じてしまうこともありましたね。私自身も、復職に向けた気持ちと会社側の判断との間で、難しさを感じた経験があります。
復職判断の難しさについて読む
復職したい本人の気持ちと、会社側の判断が一致しないことについて、私自身の経験を交えて書いています。
復職をゴールにしない
休職中は、どうしても「復職できれば元の生活に戻れる」と考えてしまいがちです。私も、復職することを一つの大きな目標にしていました。
ただ、本当に考えるべきだったのは、復職する日だけではありませんでした。復職した後も、その働き方や生活を無理なく続けていけるのか。そこまで含めて考える必要があったんですよね。
休職前と同じように働くことだけを目指すと、再び無理を重ねてしまうことがあります。実際、復職した後に再び休職してしまうケースも少なくありません。
かくいう私も、その一人です。
休職前の私は、仕事を優先しすぎていなかったか。睡眠や家族との時間を削っていなかったか。苦しい環境の中で、無理に我慢を続けていなかったか。
休職期間は、それまでの生活や働き方を振り返る時間にもなりました。
もちろん、休職した直後から人生について考える必要はありません。何も考えられないときは、ただ休む。それだけで十分です。
少しずつ回復し、これからのことを考えられるようになったときに、「以前の自分へ戻る」だけではなく、「これからどのように暮らしていきたいか」を考えてみる。そして、できる範囲から少しずつ行動に移していく。
この積み重ねが、とても大切なのだと感じています。
私の場合は、生活リズムや運動習慣を見直し、家族との時間や、仕事以外の時間についても考えるようになりました。
復職は終わりではなく、新しい生活を始めるための一つの通過点です。
休職中に人生を見直した体験を読む
休職中に、復職だけをゴールにするのではなく、その後の生活や人生について考えた体験を書いています。

休職期間を振り返って思うこと
休職中は、何もできない自分を責めたり、回復を急いだりしてしまいます。でも、休職期間に必要なことは、その時期によって少しずつ変わっていきました。
休職直後は、まず休む。少し元気が戻ったら、無理のない範囲で生活を整える。復職が見えてきたら、主治医や会社と相談しながら準備を進める。
一つずつでいいのだと思います。
以前と同じ自分に戻ることだけが、回復ではありません。
休職前の自分へ戻るのではなく、これから無理なく続けていける生活をつくる。私にとって休職期間は、そのことを考え始める時間になりました。
今、何もできないとしても、焦る必要はありません。まずは今の自分に必要な休み方を、大切にしてくださいね。

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