こんにちは、nobuです。
飲食店で働いていた頃、私は店をきれいに保つことをとても大切にしていました。毎日の清掃はもちろん、万一営業中に汚れているところを見つけたら、できるだけそのままにしないよう心がけていたものです。
ありがたいことに、口コミでも店内がとてもきれいだった、気持ちよく過ごせたといった反応を何度もいただきました。当時は、お客様に気持ちよく食事をしてもらうために、店をきれいにするのは当たり前だと考えていました。
でも今、労務や安全衛生について学んで振り返ると、清掃や整理整頓には別の大切な意味があったことに気づきます。
それは、店をきれいに保つことは、そこで働く人の安全にもつながっていたこと。
そして、従業員が気持ちよく働ける環境を整えることは、巡り巡って、お客様が気持ちよく食事を楽しめる店づくりにもつながるのではないでしょうか。今回は、飲食店の清掃や整理整頓を、見た目のきれいさだけではなく、働く人の安全という視点から考えてみます。
飲食店の清掃や整理整頓は労災防止にもつながる
飲食店では、営業をしていればどうしても床が濡れたり、油が飛んだり、物が増えたりします。厨房だけでなく、ホールで飲み物をこぼしたり、バックヤードに段ボールや備品が置かれたりすることもあるのではないでしょうか。
こうした状態をそのままにしていると、床で滑ったり、物につまずいたりする原因になります。忙しい飲食店だからこそ、普段から店内を整理し、汚れに気づいたときに対応できる状態をつくっておくことが大切です。
店内をきれいに保つことは、見た目を整えるだけではなく、こうした危険を減らすことにもつながります。厚生労働省も、飲食店の労働災害を防ぐための取り組みとして、整理・整頓・清掃・清潔の4Sを紹介しています。
4Sって何?
4Sとは、整理・整頓・清掃・清潔の4つです。
整理は必要なものと不要なものを分け、不要なものを取り除くこと。整頓は必要なものを使いやすい場所に置き、清掃ではゴミや汚れなどを取り除きます。そして、その状態を保つことが清潔となります。
言葉だけを見ると、特別なことではないように感じるかもしれません。しかし飲食店の現場に置き換えると、普段の仕事の中に4Sはたくさんあります。
床の水や油をそのままにしない
厨房では、調理や洗い物によって床が濡れることがあります。ホールでも飲み物をこぼしたり、雨の日に入口付近が濡れたりすることは珍しくありません。
こうした場所をそのままにすると、スタッフが滑って転倒する原因になります。特に忙しい時間帯は店内を何度も行き来するため、濡れた床に気づいていても、急いでいるうちに足を取られる可能性があります。
汚れや水に気づいたら、そのままにしない。店をきれいに見せるためだけではなく、床を安全な状態に戻すという意味でも大切です。
通路に物を置きっぱなしにしない
食材や飲料が納品されたとき、忙しくてすぐに片付けられないこともあります。空いた段ボールや使い終わったものを、一時的に通路へ置く場面もあるでしょう。
しかし、人が通る場所に物があれば、つまずく原因になります。厚生労働省も、転倒災害を防ぐため、通路や階段などに物を放置しないことを対策として挙げています。
忙しいときほど、とりあえずここに置くのではなく、物を置く場所をあらかじめ決めておく。これも4Sの整頓につながります。
包丁などの道具も使ったら決めた場所へ
飲食店には包丁をはじめ、扱い方によってはケガにつながる道具があります。
厚生労働省が飲食店の労働災害を分析した資料には、使用後の包丁が放置されていたことでケガにつながった事例も示されています。
使った道具を決められた場所へ戻し、必要なものを探さなくても使える状態にしておく。こうした日々の習慣も、店内を整えるだけではなく、働く人の安全につながっています。
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働く人にとってきれいな店は、お客様にとっても気持ちのいい店になる
私が店をきれいにすることを大切にしていた頃は、ここまで労災防止を意識していたわけではありません。お客様に気持ちよく食事をしてもらいたいという思いのほうが強かったです。
それでも今振り返ると、床をきれいにする、物を片付ける、道具を決められた場所へ戻す。そんな当たり前の積み重ねが、スタッフにとって働きやすく、安全な環境づくりにもつながっていました。
そして私は、ここはお客様と従業員のどちらか一方だけの話ではないと思っています。
整理整頓され、清掃が行き届いた店なら、スタッフも気持ちよく仕事ができます。必要なものが決められた場所にあれば動きやすくなり、危険な場所が少なければ安心して働きやすくなるでしょう。
そんな環境で働くスタッフがつくる店だからこそ、お客様にも気持ちよく食事を楽しんでもらえる。私自身、お客様から店がきれいだった、気持ちよく過ごせたという反応をいただいた経験からも、店の環境は働く人とお客様の両方につながっていると感じています。
店をきれいにすることは、お客様のためだけでも、従業員のためだけでもありません。
床が濡れていたら拭く、使ったものを元に戻す、通路に物を置かない。まずはそんな日々の当たり前から、働く人にもお客様にも気持ちのいい店をつくっていきたいですね。
参考にした公的情報
この記事は、以下の公的情報をもとに作成しています。
※公的情報は2026年10月時点の内容を確認しています。


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