【就業規則を考える #01】飲食店に就業規則は必要?人数の基準と基本の手続き

採用・雇用

こんにちは、nobuです。
自分のお店の「働くルール」は、従業員と共有できていますか。給与や休日、退職するときのこと。普段は意識しなくても、いざ確認したいときにルールが曖昧だと困りますよね。

こうしたルールをまとめたものが「就業規則」です。今回は、就業規則の基本と作成が必要になる人数の基準、作成後の手続きを紹介します。自分のお店のルールを見直すきっかけにしてみてください。

就業規則には何を書く?

就業規則には、勤務時間や給与、退職に関することなど、働くうえでの具体的なルールを定めます。

  • 何時から何時まで働くのか
  • 休憩や休日はどうするのか
  • 給与をいつ、どのように支払うのか
  • 退職するときのルール
  • 職場で守ってほしいこと

飲食店では、正社員やアルバイト、パートなどさまざまな従業員が働いています。ルールが曖昧なままだと、「そんな話は聞いていない」「前の店長とは対応が違う」といった行き違いにつながることもあります。

お店としてのルールを明確にし、従業員が確認できるようにしておく。そのためにも、就業規則が役立ちます。

なお、就業規則は職場全体のルールを定めるものですが、採用するときや労働条件が変更した場合には、一人ひとりの労働条件を明示する必要もあります。

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就業規則は必ず作らないといけない?

作成が必要かどうかは、お店の従業員数が判断の基準になります。

労働基準法第89条では、常時10人以上の従業員を雇っている事業場に、就業規則の作成と、所轄の労働基準監督署への届出を義務付けています。例えば、普段から12人の従業員を雇っている飲食店なら、作成・届出が必要です。一方、常時10人未満のお店には、同条による作成・届出義務はありません。

ただ、作成義務がないお店でも、働くうえでのルールを決めておくことは大切です。人数が少なくても、給与や休日について認識が食い違えば、お互いに困ってしまいますよね。

作成義務の有無にかかわらず、お店のルールが従業員にきちんと伝わっているか、一度確認してみてはいかがでしょうか。

アルバイトも10人に含まれる?

飲食店では特に正社員よりアルバイトの方が多いお店もありますよね。就業規則の作成義務を判断するときは、正社員だけでなく、アルバイトやパートも人数に含めます。

例えば、次のようなお店です。

雇用形態 人数
正社員 2人
アルバイト 8人
合計 10人

この10人を普段から雇っている場合、就業規則の作成・届出が必要になります。

ここで注意したいのは、その日にシフトに入っている人数ではなく、普段から雇っている従業員の人数で判断することです。週2日勤務のアルバイトも人数に含まれます。

一方で、普段は8人で年末の繁忙期だけ短期のアルバイトを3人雇い、合計11人になるような場合は別です。このように、一時的に10人以上になっただけで、作成・届出が必要になるわけではありません。

複数店舗がある場合は?

就業規則の作成義務は、原則として会社全体ではなく、店舗などの職場ごとに判断します。例えば、同じ会社がA店とB店を経営していても、それぞれが独立した職場なら、各店舗の人数を基準に考えます。

複数店舗を運営している場合は、会社全体の人数だけでなく、それぞれのお店の従業員数も確認しておきたいところです。

就業規則を作ったら何をする?

就業規則は、作るだけで終わりではありません。

作成にあたっては、従業員の代表などから意見を聴き、必要な届出を行うとともに、従業員が内容を確認できるようにします。それぞれ見ていきましょう。

① 従業員の代表などから意見を聴く

労働基準法第90条では、就業規則を作成・変更するとき、従業員の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は従業員の過半数を代表する人から意見を聴くことが定められています。

代表者は、会社が勝手に指名してよいものではありません。投票や話し合いなど、法令の条件を満たす方法で選びます。なお、意見を聴くことは必要ですが、必ず賛成してもらわなければならないという意味ではありません。

② 労働基準監督署へ届け出る

常時10人以上の労働者を使用する職場では、作成した就業規則に意見書を添えて、所轄の労働基準監督署長へ届け出ます。

就業規則の内容を変更した場合も、同じように届出が必要です。

③ 従業員が確認できるようにする

労働基準法第106条では、就業規則を従業員に知らせ、確認できるようにすることが義務付けられています。これを「周知」といいます。

例えば、次のような方法があります。

  • 従業員がいつでも見られる場所に掲示したり、備え付けたりする
  • 書面を配布する
  • 法令の条件を満たす形で、パソコンなどからいつでも確認できるようにする

大切なのは、従業員が必要なときに就業規則を確認できる状態にしておくことです。

また、従業員への注意や指導を考えるときにも、就業規則の内容を確認する場面があります。実際の従業員対応については、別の記事で紹介しています。

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まとめ

就業規則は、お店や会社で働くときのルールをまとめたものです。

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成と労働基準監督署への届出が必要になります。アルバイトやパートも人数に含まれるため、正社員だけで判断しないようにしましょう。

また、作成にあたっては従業員の代表などから意見を聴き、意見書を添えて届け出るとともに、従業員が内容を確認できるようにしておく必要があります。

私自身、飲食業で働いていた頃は、就業規則を身近なものとして捉えられていませんでした。今考えると、働くうえでのルールを知っておくこと・作っておくことは、お店にとっても、そこで働く人にとっても大切だったと反省しています。

まずは、自分のお店や会社に就業規則があるか、従業員がどこで確認できるかを見てみてください。まだ作成していない場合は、アルバイトやパートを含めた人数を確認し、作成義務の対象になっているかを確かめるところから始めていきましょう。

参考にした公的情報

この記事は、以下の法令・公的情報をもとに作成しています。

※法令・公的情報は2026年10月時点の内容を確認しています。

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