こんにちは、nobuです。
皆様のお店や会社では、固定残業代を取り入れていますか?
飲食業では、閉店後の片付けや仕込みなどで、どうしても残業が発生するケースは少なくないと思います。そのため、固定残業代を取り入れているところも多いのではないでしょうか。
ただ、毎月決まった金額を払っていればOK、というわけではなく、知らずに使っていると、未払い残業代につながることもあります。
今回は、固定残業代ってそもそも何?というところから、メリット・デメリット、気をつけたいポイントまで順番に見ていきます。
固定残業代とは?
固定残業代とは、一定時間分の残業代をあらかじめ決めて、毎月の給与として支払う方法です。
たとえば、給与を次のように設定したとします。
基本給 26万円
固定残業代 4万円(20時間分)
総支給額 30万円
この場合、実際の残業が10時間だったとしても、固定残業代4万円を支払います。
一方、25時間残業した場合、固定残業代に含まれているのは20時間分なので、超えた5時間分については追加の残業代が必要です。
つまり、一定時間分の残業代をあらかじめ支払い、超えた分は追加で支払う。まずは、この仕組みを押さえておくことがポイントです。
固定残業代のメリット・デメリット
では、お店や会社にとって、固定残業代にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
一つは、人件費の見通しを立てやすいことです。
飲食業では、繁忙期や予約状況によって残業時間が変わることがあります。一定時間分の残業代を毎月決まった金額で支払うため、その範囲内であれば給与にかかる費用を予想しやすくなります。
もう一つは、残業が少なくても固定残業代が減らないことです。
先ほども書きましたが、20時間分を設定していて、実際の残業が10時間だったとしても、決められた固定残業代は支払います。早く仕事を終えたからといって、その分だけ給与が減る仕組みではありません。そのため、効率よく仕事を進めようと考えるきっかけになる可能性もあります。
一方、お店や会社から見るとデメリットになる部分もあります。
それは、残業が少ない月でも決められた固定残業代を支払うことです。暇な月で残業がほとんどなかったとしても、その月だけ固定残業代を減らすという仕組みではありません。
普段から残業が少ない職場であれば、そもそも固定残業代を導入する必要があるのか、よく考えてみてください。
ここまでが、固定残業代そのものの主なメリット・デメリットですが、ここから先は、導入するなら知っておきたいルールや注意点を話していきます。
固定残業代で注意したいこと
固定残業代を導入するとき、まず大切なのが勤怠管理です。
固定残業代を払っていても、実際に何時間働いたのかは確認しなければなりません。たとえば20時間分の固定残業代を設定していて、実際には30時間残業していたのであれば、超えた10時間分の残業代を追加で支払う必要があります。この確認をせず、追加で支払うべき残業代をそのままにしていると、未払いが少しずつ積み重なっていきます。
現在、賃金を請求できる期間は法律上5年ですが、当分の間は3年とされています。未払いが長期間続けば、従業員の人数によっては会社にとって大きな負担になる可能性もあるため、毎月きちんと確認しておきましょう。
次に気をつけたいのが、給与の中身を分かりやすくすることです。
たとえば、月給30万円とだけ書かれていて、その中に固定残業代が含まれていたらどうでしょう。これでは、通常の給与はいくらで、固定残業代はいくらなのか分かりにくくなってしまいます。固定残業代を導入するのであれば、通常の給与と固定残業代を分け、何時間分なのかなど、従業員が内容を確認できるようにしておくことが大切です。
最低賃金にも注意が必要です。
固定残業代を含めた月給が高く見えても、それだけで最低賃金を上回っているとは判断できません。最低賃金と比べるときには、固定残業代など計算に含めない賃金を除いて確認します。特に最低賃金が引き上げられたときは、給与を見直すタイミングです。複数の都道府県に店舗がある会社では、働く場所によって適用される地域別最低賃金が異なることにも気をつけましょう。
また、固定残業代を払えば、何時間でも残業してもらえるわけではありません。
残業には36協定や時間外労働の上限など、別のルールがあります。固定残業代はあくまで残業代の支払い方の一つであり、労働時間のルールまで変わるものではありません。
求人を出すときにも注意が必要です。
固定残業代を含む給与を表示する場合には、固定残業代の金額や対象となる時間、固定残業代を除いた基本給、設定した時間を超えた場合には追加で支払うことなどを分かるようにします。給与は、働く人にとって大切な労働条件です。採用後に「聞いていた話と違う」とならないよう、求人の段階から分かりやすく伝えておきましょう。
もう一つ知っておきたいのが、一度決めた固定残業代の変更です。
固定残業代も賃金に関わるため、会社側の都合だけで自由に減額したり、なくしたりできるとは限りません。労働条件の変更は従業員との合意が基本となり、就業規則を変更する場合にも一定のルールがあります。
導入する前に考えたいこと
ここまで見てきたように、固定残業代には人件費の見通しを立てやすいなどのメリットがある一方、導入したからといって残業代の管理そのものがなくなるわけではありません。
だからこそ、まず考えたいのは「自分のお店や会社に、本当に固定残業代が必要なのか」ということです。
周りの飲食店や会社も導入しているから、という理由だけで決める必要はありません。普段どのくらい残業が発生しているのか、なぜ固定残業代を導入したいのか。まずは自分たちの職場の状況を整理することから始めてみましょう。
そのうえで導入するのであれば、従業員にも仕組みをきちんと説明し、お互いの認識にズレが生まれないようにすることが大切です。
固定残業代は、導入して終わりではありません。自分たちの職場に合った仕組みを作り、その後も正しく運用していくことだ大事ということを覚えておいてください。
固定残業代の具体的な計算方法については、別の記事で詳しく解説します。
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