こんにちは、nobuです。
飲食業時代、かなり少ない従業員で店を回していた時期がありました。当時は店の認知度が上がり、ありがたいことに想定していた以上にお客様が増えていた頃です。売上は伸び、利益も出ていましたので、経営する側から見ればとてもありがたい状況です。
ただ、営業を終えて締め作業をする頃には、従業員はフラフラの状態。店は回っているが、でも、このままでいいのか。
当時の私は、従業員を増やすかどうかの判断にとても迷っていました。
お客様は増えている。でも、この先は分からない
目の前のお客様は確実に増えていました。念のために用意していたウェイティングリストの使用回数も日ごとに増していく。同じ人数で営業を続けるなか、一人ひとりの負担も大きくなっていきました。
それなら従業員を増やせばいい。今なら簡単にそう言えるかもしれませんが、当時はなかなかそう単純には考えられませんでした。今のお客様の数が、この先も続くのか、さらに増えていくのか、それとも一時的なものなのか悩んでいたからです。
新しく従業員を採用したあとに客数が落ち着けば、人件費は増えたままです。場合によっては、すでに働いてくれている従業員の勤務時間を調整しなければならず、別の不満につながる可能性もあります。利益が減ることへの抵抗も、正直に言えばありました。
さらに当時は、会社として別の重要な取り組みを進めていた時期でもあります。限られた中で何を優先するのかを考え、私たちはすぐに増員するのではなく、今の体制を続ける判断をしました。
自分がもう少し頑張れば、なんとかなる。そう考えていたのを覚えています。
従業員から不満が出るようになった
実際、店は回っていました。ただ、それを支えていたのは、少ない人数で働いてくれていた従業員です。営業中だけでなく、片付けや締め作業まで終える頃には疲れ切っていました。私自身も同じような状態ですが、それは当たり前の話で。
そんな状況が続くうちに、やはり従業員から会社への不満が出るようになりました。
この状況に対して、会社は何も対策をしないのか。
普段から一緒に現場へ入り、従業員とはよく話していたので、そうした声を直に聞くことができました。増員する考えがあることや会社の状況も伝えていましたが、実際の対応は追いついていません。
従業員がしんどいのは分かっている。でも、経営のことも考えなければならない。どちらの事情も分かるからこそ、私は判断を引っ張ってしまいました。
ここが、今回のしくじりだったと思いつつ、反省している点でもあります。
自分が頑張れることと、従業員の負担は別だった
私は経営する側でした。自分たちで始めた店だからこそ、もっと良くしたいし、多少大変でも頑張ろうと思えます。
でも、そこで働く従業員は経営者ではありません。当たり前の話ですが、それが事実です。もちろん、店を好きでいてくれたり、会社のことを考えてくれたりする従業員もいます。だからといって、経営する側と同じ熱量や負担まで求めていいわけではありません。
当時の私は、従業員が疲れていることに気づいていました。それでも店が回っていたことで、まだ続けられると考えてしまったのだと思います。人を大事にしたい気持ちはありました。
それでも、あのときの判断が本当に働く人を大事にしたものだったかと考えると、反省する部分が多くあるのは間違いないかなと思っています。
結果だけを見れば、うまくいった
その後、新しい従業員を採用することができました。お客様もさらに増え、会社として進めていた取り組みも成果につながり、店を知ってもらう機会が広がっていきます。
結果だけを見れば、当時の経営判断がすべて間違っていたとは思っていません。だから、この経験を単純に「もっと早く従業員を増やせばよかった」で終わらせたくもありません。あの時点では、この先も客数が増えるのか分からず、増員によって既存の従業員の勤務時間に影響する可能性もありました。
経営として考えなければならないことは、確かにありました。ただ、今なら少し違う方法を考えます。
増員するか、しないか、その二択だけで考えません。
今なら、小さく負担を減らす
たとえば、いきなり一人を長時間勤務で採用するのではなく、忙しい時間帯や休憩を回すために短時間の従業員を入れる方法もあります。
まず現場の負担を少し下げ、その後も客数が増えていく目途がたったのであれば、状況を見ながら人員体制を考えていく。ほかにも、業務量を減らせないか、一時的に応援を入れられないかなど、できることは様々あります。
そして何より、従業員の話をもっと判断材料にします。
当時も従業員とはコミュニケーションは取っていました。それでも今振り返ると、従業員から不満が出ていた時点で、それを単なる不満ではなく、今の人員体制を見直すサインとして、もっと重く受け止めるべきだと思っています。
経営判断に迷うことはあっても、その間ずっと現場に負担をかけ続けていいわけではない。皆さんなら、今回のようなケースに直面したらどう判断しますか?
数字だけでは見えなかったもの
当時の店は、数字だけを見れば順調でした。売上も利益も伸び、その後、店はさらに成長していきます。その一方で、現場では従業員がフラフラになるほど疲れていました。店が順調に見えていたからこそ、現場の負担に対する判断が遅れてしまった。
経営する以上、売上や利益、人件費を考えるのは当然です。でも、その数字をつくっているのは、そこで働く人でもあります。数字はどうか。そこで働く人に無理は出ていないか。
当時の私には、その両方を見る視点が足りていませんでした。
一緒に働いてくれた従業員には、大きな負担をかけました。今会えるなら、あのときはごめんと伝えたいです。
この経験もまた、私が今「飲食業を、ヒトから磨く。」と考えている理由の一つです。


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