休職前に知っておきたい7つのこと|給与・傷病手当金・社会保険料を解説

こんにちは、nobuです。

休職を考え始めた頃の私は、不安でいっぱいでした。

「本当に休んでもいいのだろうか」

「休んだら、給料はどうなるんだろう」

「会社には、何を伝えればいいのだろう」

心も体も限界に近づいているのに、考えなければならないことが次々と出てきます。けれど、体調が悪い状態で、会社の制度やお金のことを一から調べるのは簡単ではありません。

実際に休職を経験した今振り返ると、「もっと早く知っておきたかった」と思うことがたくさんあります。

この記事では、私自身の休職経験と、現在、労務の仕事に携わる中で学んだことをもとに、休職前に知っておきたいことをまとめました。

すべてを一度に調べる必要はありません。今の自分に必要なところから、無理のない範囲で読んでみてください。

※休職制度や給与の扱い、申請手続きなどは、会社の就業規則や加入している健康保険によって異なります。実際の手続きは、勤務先の人事・労務担当者や加入している健康保険へご確認ください。

休職を考えている方へ

休職は、働くことから逃げるためのものではありません。

心と体の状態を立て直し、これからの働き方を考えるための時間です。

当時の私は、「もう少し頑張れば何とかなる」と考え続けていました。

職場に迷惑をかけたくない。自分だけ休んではいけない。まだ働けるはずだ。

そう思いながら無理を重ね、結果として、心と体の状態をさらに崩してしまいました。

体調が悪いときに、休むべきかどうかを一人で判断するのは難しいものです。だからこそ、主治医や家族、会社の担当者などに相談しながら、利用できる制度や今後の流れを確認することが大切だと感じています。

休職するかどうかを決める前に、まずは「今の状態を一人で抱え込まないこと」から始めてください。

この記事で紹介するのは、次の7つです。

  1. 会社の休職制度
  2. 休職中の給与
  3. 傷病手当金
  4. 年次有給休暇
  5. 休職中の社会保険料
  6. 診断書と会社への連絡
  7. 休職期間と復職条件

ここから、それぞれ順番に説明していきます。

会社の休職制度

最初に知っておきたいのが、勤務先の休職制度です。

私傷病による休職制度は、すべての会社に同じ内容で用意されているわけではありません。知らなかったけれど、実は手厚い制度が設けられている会社もあれば、そもそも休職制度がない会社もあります。

制度がある場合でも、休職できる条件や期間、必要な手続きなどは会社によって異なります。

主に確認しておきたいのは、次の項目です。

  • どのような場合に休職できるのか
  • 入社してから何か月以上などの条件があるか
  • 休職できる期間はどのくらいか
  • 休職期間を延長できるか
  • 休職期間中に給与が支給されるか
  • 診断書の提出が必要か
  • 休職中は誰と連絡を取るのか
  • 休職期間が満了した場合にどうなるか
  • 復職するために必要な条件は何か

就業規則は、社内の共有フォルダやイントラネットに掲載されているほか、事業所内に備え付けられている場合もあります。

見つからない場合や、読む余裕がない場合は、人事・労務担当者へ「私傷病による休職制度について確認したい」と伝えてみてください。

体調が悪い中で、就業規則をすべて読み込む必要はありません。まずは、休職できる期間、給与の有無、必要書類、復職条件を確認できれば、今後の流れを考えやすくなります。

休職中の給与

私傷病による休職中の給与は、法律上、会社に支払いが一律に義務づけられているわけではありません。

そのため、実際に給与が支給されるかどうかは、会社の就業規則や休職規程、賃金規程などによって異なります。

私が知る限りでは、私傷病による休職期間を無給としている会社が多い印象です。

※休職を経験した方で、会社独自の休職中の給与や手当、所得補償制度を利用した方がいらっしゃいましたら、コメントで教えていただけるとうれしいです。公的な制度とは別に、会社独自の休職中の所得補償が設けられているとすれば、とても手厚い制度だと思います。可能であれば、その会社の労務担当者の方にもお話を伺ってみたいほどですね。

私は、休職すれば自動的に何らかの給与が支払われると思っていたわけではありません。それでも、実際に収入が減ることを考えると、大きな不安を感じました。

職場に原因がある場合

休職の原因が、職場でのパワーハラスメントや長時間労働などにある場合は、一般的な私傷病休職とは扱いが異なる可能性があります。

ただし、会社の社内調査でパワハラが認定されたからといって、休職中の給与が自動的に支払われるわけではありません。

業務上の出来事が原因で精神疾患を発症したとして労災認定された場合は、一定の要件を満たすことで、労災保険から休業補償給付などを受けられる可能性があります。

また、会社の安全配慮義務違反などの法的責任が認められた場合には、休職によって失った賃金相当額や慰謝料などが、損害賠償の対象になることもあります。

ただし、これは通常の給与や会社独自の手当とは異なり、個別の事情によって判断されるものです。

職場での出来事が原因で体調を崩した可能性がある場合は、通常の私傷病休職として扱われるのか、労災申請を検討できる状況なのかについて、労働基準監督署や労働問題に詳しい専門家へ相談することも検討してください。

給与の確認ポイント

単に「休職中に給与が出るか」だけでなく、次の点まで聞いておくと安心です。

  • 休職開始月の給与はどのように計算されるか
  • 欠勤控除が行われるか
  • 休職中に会社から支給される手当があるか
  • 賞与の算定に休職期間が影響するか
  • 給与から控除できない社会保険料をどのように支払うか

休職に入る日によっては、最終給与の金額や社会保険料の徴収方法が変わることもあります。

具体的な支給額や控除額が気になる場合は、会社の就業規則などを確認したうえで、人事・給与担当者へ問い合わせておきましょう。

傷病手当金

休職によって給与が支給されなくなる場合、健康保険の傷病手当金を受け取れる可能性があります。

傷病手当金は、病気やけがによって仕事に就くことができず、一定の要件を満たした場合に、生活を支えるために健康保険から支給される給付です。

協会けんぽでは、主に次の条件が案内されています。

  • 業務外の病気やけがを療養していること
  • 療養のため、これまでの仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいること
  • 休んだ期間について給与の支払いがないこと

最初の連続する3日間は「待期」と呼ばれ、その後の4日目から支給対象となります。待期には、土日や祝日、有給休暇を取得した日も含まれます。

給与が一部支給されている場合は、給与の額によって、傷病手当金が支給されない場合や、傷病手当金との差額が支給される場合があります。

申請の流れや会社が対応する時期、申請書の提出先などを早めに確認しておくと安心です。

※健康保険組合へ加入している場合は、加入先の健康保険組合へ申請方法をご確認ください。

年次有給休暇

休職に入る前に、残っている年次有給休暇を使う場合があります。

例えば、有給休暇を何日か取得したあとに休職へ入る方法もあれば、有給休暇を残したまま休職へ入る方法も考えられます。

どちらがよいかは、体調や収入、会社の制度、復職後に有給休暇を残しておきたいかなどによって変わります。

年次有給休暇をいつ取得するかは、原則として労働者本人が決めるものです。ただし、会社の事業運営に著しい支障が生じる場合には、取得時期を変更されることがあります。

会社の説明を聞いたうえで、自分の希望も伝えて相談することが大切です。

私の場合も、休職前に使える有給休暇が何日残っているのか、給与がいつまで支給されるのかを知っていれば、もう少し落ち着いて判断できたと思います。

確認するときは、次の点を整理しておくとよいと思います。

  • 有給休暇の残日数
  • 休職開始予定日
  • 有給休暇中の給与
  • 傷病手当金の待期期間との関係
  • 復職後のために有給休暇を残すか

休職中の社会保険料

私が休職前に特に知っておきたかったのが、社会保険料の扱いです。

休職中も会社に在籍し、健康保険や厚生年金保険の資格が継続している場合は、給与が支給されていなくても社会保険料の負担は続きます。

普段は給与から差し引かれているため、社会保険料を自分で支払っている感覚はあまりないかもしれません。しかし、休職によって給与が出ない場合は、給与から社会保険料を差し引くことができません。

そのため、会社が立て替えた本人負担分を、毎月会社へ振り込むなどの対応が必要になる場合があります。

会社によっては、次のような方法が取られます。

  • 毎月、指定された口座へ振り込む
  • 会社から請求書が届く
  • 復職後の給与から分割して控除する
  • 会社と相談して支払方法を決める

給与がない状態で社会保険料の支払いが発生すると、想像していた以上に負担を感じることがあります。

休職前に、毎月どの程度の支払いがあるのか、どのように支払うのかを確認しておくと、生活費を考えやすくなります。

具体的な金額や徴収方法は、勤務先の人事・給与担当者へご確認くださいね。

診断書と会社への連絡

私傷病による休職を申し出る際、会社から医師の診断書の提出を求められることがあります。

診断書には、療養が必要な期間や、現在は仕事をすることが難しい状態であることなどが記載されます。ただし、会社が診断書に求める内容は異なります。

診断書を取得する前に、次の点を確認しておくとよいでしょう。

  • 会社指定の診断書様式があるか
  • 診断書に記載してほしい内容
  • 提出先と提出方法
  • 提出期限
  • 原本が必要か、データでもよいか

また、休職を申し出る連絡を誰にするのかも確認しておきましょう。

直属の上司へ最初に連絡する会社もあれば、人事・労務担当者へ直接連絡する会社もあります。

体調が悪く、自分で詳しく説明することが難しい場合は、すべてを細かく話す必要はありません。

例えば、次のように簡潔に伝える方法があります。

心身の不調により医療機関を受診し、主治医から一定期間の療養が必要と言われました。休職手続きについて確認させていただきたいです。

病名や詳しい経緯をどこまで伝えるかに迷う場合は、まず人事・労務担当者へ、手続き上どのような情報が必要なのか確認してみてください。

休職期間と復職条件

休職が始まったあとも、会社と定期的に連絡を取る場合があります。

連絡頻度や報告する内容は、会社によって異なります。

例えば、次のような対応があります。

  • 毎月一度、体調を報告する
  • 診察後に主治医の見解を伝える
  • 診断書を定期的に提出する
  • 傷病手当金の申請書を会社へ送る
  • 休職期間が終わる前に面談を行う

連絡方法も、電話、メール、チャット、書面などさまざまです。電話での連絡が大きな負担になる場合は、メールで対応できないか相談してみてもよいと思います。

また、休職を始める段階で、休職できる期間と復職条件についても知っておくと安心です。

復職時には、一般的に次のような対応が行われることがあります。

  • 主治医による復職可能の診断書を提出する
  • 会社や人事担当者と復職面談を行う
  • 産業医との面談を受ける
  • 生活リズムや通勤が可能か確認する
  • 短時間勤務や業務軽減について話し合う
  • 会社が最終的な復職可否を判断する

主治医が復職可能と判断しただけで、自動的に元の働き方へ戻るとは限りません。

会社の就業規則や復職手続きに従い、現在できることや必要な配慮について、会社と話し合っていくことになります。

また、休職期間が満了したときに復職できない場合の扱いも、会社によって異なります。休職期間の長さだけでなく、延長できるか、期間満了時にどのような扱いになるかについても知っておきましょう。

休職前のチェックリスト

体調が悪い中で、すべてを覚えておくのは大変です。

会社へ連絡するときは、次の項目をメモしておくと整理しやすくなります。

  • 私傷病による休職制度はあるか
  • 休職できる期間はどのくらいか
  • 休職開始日はいつになるか
  • 診断書は必要か
  • 会社指定の診断書様式はあるか
  • 休職中に給与や手当は支給されるか
  • 残っている有給休暇はどのように扱うか
  • 社会保険料はいくら、どのように支払うか
  • 傷病手当金の申請はどのように行うか
  • 休職中は誰と、どのくらいの頻度で連絡するか
  • 復職時に必要な書類や面談は何か
  • 休職期間が満了した場合にどうなるか

一度の連絡ですべてを確認できなくても問題ありません。

分からないことが出てきたら、その都度確認すれば大丈夫です。

会社への連絡が難しいとき

心身の状態が悪いと、会社へ連絡すること自体が大きな負担になります。

電話をかけようとすると不安が強くなる。何を話せばよいか整理できない。会社からの連絡を見るだけで体調が悪くなる。

私にも、そのような経験がありました。

自分一人で対応することが難しい場合は、まず主治医へ相談してください。また、会社に対して、連絡方法を電話からメールへ変更できないか、連絡窓口を一人にまとめられないか相談する方法もあります。

家族による連絡については、本人の同意や会社の運用が関係するため、事前に会社へ確認が必要です。

無理をして何度も複数の人へ説明するのではなく、できるだけ負担の少ない連絡方法を考えてもらうことも大切です。

休職で一番大切にしてほしいこと

休職制度や傷病手当金、社会保険料について知っておくことは、とても大切です。

けれど、私が一番早く知りたかったのは、制度の内容だけではありませんでした。

「休むことは、悪いことではない」

そのことを、もっと早く理解したかったと思います。

当時の私は、職場へ迷惑をかけることばかり考えていました。

自分が休んだら、ほかの人の仕事が増えてしまう。周囲からどのように見られるだろう。復職しても居場所がなくなるかもしれない。

そんな不安が頭から離れませんでした。

けれど今振り返ると、そのとき一番守らなければならなかったのは、自分の心と体でした。

無理を重ねて完全に動けなくなれば、結果として、仕事へ戻るまでにさらに時間がかかることもあります。

休職は、何もしない期間でも、人生から取り残される期間でもありません。まずは心と体を休ませ、その後の働き方や生き方を考えていくための時間です。

休職が始まったあとも、ずっと手続きのことばかり考える必要はありません。必要な手続きが一段落したら、まずは心と体を休めることを優先してください。

「休んでいる間に何をすればいいのだろう」と不安になる方もいると思います。

私自身が経験した、休職直後から復職準備までの過ごし方については、こちらの記事にまとめています。

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まとめ

休職前に知っておきたいことは、次の7つです。

  • 会社の休職制度
  • 休職中の給与
  • 傷病手当金
  • 年次有給休暇
  • 休職中の社会保険料
  • 診断書と会社への連絡
  • 休職期間と復職条件

体調が悪いときに、これらをすべて自分一人で調べる必要はありません。

主治医や家族、勤務先の人事・労務担当者、加入している健康保険など、相談できる相手を頼りながら、今の自分に必要なことから確認してみてください。

休職は、働くことを諦めるためのものではありません。

心と体を立て直し、これからの働き方を考えるための時間です。

この記事が、休職を考えている方の不安を少しでも減らし、安心して療養へ入るための助けになればうれしいです。

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