先日、会社のご厚意で、他社が主催する人事カンファレンスに参加させていただきました。
正直に言うと、こうした大きなイベントに一人で参加することは、以前の私にとってかなりハードルの高いものでした。知らない人が大勢いる場所へ行き、自分から話しかけることを考えるだけでも、緊張してしまっていたと思います。
それでも今回は、「今の自分を少しでも前に進めたい」「人事・労務の分野で新しい視点を得たい」という思いから、参加を決めました。
結果として、この一歩は、学びだけでなく、自分自身の変化を感じられる大切な経験になりました。
人事の今とこれからを学ぶ
カンファレンスでは、社会保険労務士の方による専門的な講演や、実際に人事評価制度を導入した企業の事例発表などが行われました。
制度の理論だけでなく、
- 導入前と導入後で、会社がどう変わったのか
- 社員は評価制度をどのように受け止めたのか
- 導入する中で、どのような課題があったのか
といった、実際の現場に基づく話を聞けたことが印象に残っています。
特に心に残ったのは、評価制度は、単に社員へ数字や順位をつけるためのものではなく、社員と組織がともに成長するための「会話のきっかけ」になる、という考え方でした。
人事や労務の仕事をしていると、制度やルール、手続きに意識が向きがちです。しかし、その先には必ず一人ひとりの社員がいます。
制度をつくること自体が目的なのではなく、そこで働く人を理解し、成長や働きやすさを支えることが大切なのだと、改めて感じました。
講演を聞きながら、「自分はやはり、人の成長や働くことを支える仕事がしたいんだな」と、自分の原点を再確認できたように思います。
新しい出会いから生まれたつながり
今回のカンファレンスでは、多くの方と名刺交換をさせていただきました。
企業で人事に携わっている方、社労士として会社を支えている方、将来の独立を考えている方など、立場や経験はさまざまです。
それでも、話をしていると、皆さんが「より良い職場をつくりたい」「働く人を支えたい」という思いを持っていることが伝わってきました。その熱意に触れられたことも、今回参加してよかったと感じた理由の一つです。
特にうれしかったのは、私が将来的に取り組みたいと考えている「メンタルヘルスと労務」という分野に、共感してくださる方がいたことでした。
「将来そうした事業を立ち上げるなら、何か一緒にできたらいいですね」
そのような言葉をかけていただき、自分が目指している方向は間違っていないのかもしれないと、少し自信を持つことができました。
まだ具体的な形になっているわけではありません。それでも、自分の思いを誰かに話し、共感してもらえたことは、これから進んでいくための大きな力になりました。
一人で参加できたことも大きな前進
今回、私にとって最も大きな収穫は、専門的な知識を学んだことだけではありません。
「一人で会場へ行き、初めて会う人と話すことができた」
その事実自体が、私にとって大きな一歩でした。
うつ病の療養中は、人と会うこと自体が怖く感じられる時期もありました。何を話せばいいのか分からない。うまく笑えない。相手の目を見ることさえ、つらく感じることもあります。
私にも、そうした時期がありました。
その状態から少しずつ回復し、今回は自分の意思で人の集まる場所へ参加しました。知らない人にあいさつをし、自分の仕事や将来について話せたことは、以前の自分からすると考えられないような変化です。
カンファレンスを終えて会場を出たとき、疲れと同時に、強い高揚感がありました。
「自分は、ちゃんと前に進めているんだな」
そう心の底から思えた瞬間を、今でも覚えています。
新しい場所へ行くことが未来につながる
うつ病を経験したことで、私は「働く」ということについて改めて考えるようになりました。
仕事は、生活のために収入を得る手段である一方、人との関わりを通じて、自分自身を成長させてくれるものでもあります。
今回のカンファレンスも、新しい知識を得るだけの場所ではありませんでした。これまで接点のなかった人と出会い、自分とは違う考え方に触れ、これからの生き方や働き方を考えるきっかけになりました。
新しい場所へ行ったからといって、必ず何か大きな成果を得られるとは限りません。人とうまく話せないこともあれば、疲れて帰ってくることもあると思います。
それでも、その場所へ足を運んだ経験は、自分の中に残ります。
話しかけられなくてもいい。座って話を聞くだけでもいい。
今の自分にできる範囲で新しい場所に触れてみることで、次の一歩につながるヒントが見つかることもあるのではないでしょうか。
無理をせず、自分のペースで前へ進む
今回の経験を通して、学びと出会いは、自分の世界を少しずつ広げてくれるものだと感じました。
一方で、無理をしてでも前へ進めばいいとは思っていません。
うつ病を経験した今だからこそ、私は「無理なく続けられる前進」を大切にしたいと考えています。調子が悪い日は休み、少し余裕があるときに新しいことへ挑戦する。その繰り返しで十分なのだと思います。
これからも、自分の体調と相談しながら、イベントや勉強会に参加していきたいです。そして、人事や労務、メンタルヘルスの分野で悩みながらも前へ進もうとしている方々と、少しずつつながっていけたらと思っています。
「行ってよかった」と心から思える日が、また一つ増えました。
今回の経験を糧にしながら、これからも自分のペースで歩んでいきます。


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