副業・Wワークする従業員がいるときの労働時間管理|飲食店が知っておきたい基本

働き方

こんにちは、nobuです。

従業員を雇ってみたら、ほかのお店や会社でも働いていた、もしくは、今いる従業員から「副業を始めたい」と申告があった。飲食業では、こうしたWワークも珍しくありませんよね。

そこで注意したいのが、労働時間の管理です。自分のお店や会社では短時間しか働いていなくても、もう一つの勤務先での労働時間と合わせて考える場合があるからです。

今回は、副業・Wワークをする従業員がいるときに、お店や会社が知っておきたい基本をわかりやすく紹介しますので、是非ごらんください。

まずは確認したい3つのポイント

雇い入れ時や、従業員から副業・Wワークの申告があったときは、まず次の3つを確認しておきましょう。

  • もう一つの仕事は、どのような働き方なのか
  • もう一つの勤務先で、いつ、どのくらい働いているのか
  • どちらの会社と先に雇用契約を結んでいるのか

特に確認したいのが、もう一つの仕事でも「雇われて働いているか」という点です。

たとえば、昼は別の会社でアルバイトをして、夜は自分のお店で働く。このように複数の会社に雇われている場合、労働時間は原則として通算して考えます。一方、個人事業主やフリーランスなど、労働基準法の労働時間に関するルールが適用されない働き方であれば、その時間は通算の対象になりません。

そのため、「Wワークをしているか」だけではなく、もう一つの仕事でどのような働き方をしているのかまで確認することが大切です。

労働時間は自分のお店や会社だけを見ない

労働基準法では、労働時間は原則として1日8時間、週40時間までと決められています。これを「法定労働時間」といいます。

複数の会社に雇われて働いている場合、それぞれの勤務先での労働時間は原則として通算されます。たとえば、自分のお店では4時間しか働いていなくても、その前に別の勤務先で働いているかもしれません。「うちでは短時間しか働いていないから大丈夫」とは限らないのが、Wワークの注意点です。

厚生労働省も、副業・兼業をしている従業員について、本人からの申告などによって他社での労働時間を把握し、自社の労働時間と通算して管理する考え方を示しています。

そのため、雇い入れ時や副業の申告があったときに、もう一つの勤務先でいつ、どのくらい働いているのかを確認しておくことはとても大切です。

自分のお店で残業していなくても割増賃金が必要になることがある

Wワークでは、割増賃金にも注意が必要です。

複数の勤務先の労働時間を通算した結果、法定労働時間を超えると、自分のお店や会社では通常のシフトどおりに働いていても、割増賃金の支払いが必要になる場合があります。

ここで少し難しいのが、「どちらの会社で法定時間外労働になるのか」という点です。

原則的な方法では、まず契約で決められた労働時間を、先に雇用契約を結んだ勤務先、後に雇用契約を結んだ勤務先の順に通算します。そのうえで、契約時間を超えて実際に働いた時間については、実際に働いた順番で通算していきます。

その結果、法定労働時間を超えた部分について、該当する会社で割増賃金の支払いが必要になります。

少し複雑ですよね。

まず覚えておきたいのは、「自分のお店では残業していないから関係ない」とは限らないということです。

また、通算した結果、自分のお店や会社で法定時間外労働をさせることになる場合は、36協定についても確認が必要です。

36協定については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

飲食店の36協定とは?残業をお願いする前に知っておきたい基本

副業を申告できる仕組みをつくる

もう一つの勤務先の労働時間を、お店や会社が直接確認するのは簡単ではありません。

そこで基本になるのが、従業員本人からの申告です。

厚生労働省も、副業・兼業の有無や内容を確認するため、届出制などの仕組みを設けておくことが望ましいとしています。

たとえば、

  • 副業を始めたとき
  • 勤務する曜日が変わったとき
  • 労働時間が大きく変わったとき

などに申告してもらうルールを決めておけば、状況を把握しやすくなります。

ただ、仕組みを作るだけでは十分ではありません。「副業していると言ったら怒られるかも」という雰囲気では、必要な情報を共有してもらえない可能性があります。

従業員がきちんと申告できる関係をつくることも、Wワークの労務管理では大切です。

働きすぎにも気をつける

昼は別の会社で働き、夜は飲食店。平日は本業、休日はアルバイト。こうした働き方では、本人が思っている以上に休む時間が少なくなることもあります。

労働時間を確認する目的は、割増賃金を計算することだけではありません。申告された副業の状況も踏まえて、働きすぎていないかに目を向けることも大切です。

本人にも労働時間や体調を意識してもらいながら、無理のない働き方につなげていきましょう。人を雇用する場合、安全配慮義務があることを忘れてはいけません。

Wワークは最初の確認から

副業・Wワークをする従業員がいる場合、自分のお店や会社のシフトだけを見ていればよいとは限りません。

まずは、もう一つの仕事でどのような働き方をしているのか、いつ・どのくらい働いているのか、どちらと先に雇用契約を結んでいるのかを確認する。そして、働き方が変わったときにも申告してもらえる仕組みをつくっておきます。

Wワークの労働時間管理は少し複雑ですが、最初からすべてを難しく考える必要はありません。

まずは従業員の働き方を知り、必要な情報を共有できる関係と仕組みをつくる。

そこから始めることが、Wワークをする従業員とお店や会社の双方を守ることにつながると、私は考えています。

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