こんにちは、nobuです。
私が飲食店で店長をしていた頃、年上の部下との関係づくりに失敗したことがあります。当時の私は、「店長として、店をどうしたいかをきちんと伝えなければ」と考えていました。もちろん、それ自体は今でも大切なことだと思っています。
ただ振り返ってみると、その前にできることがあるかな、と今では思います。それは、相手を変えようとする前に、まず自分が相手を知ろうとすること。
今回は、そんな店長時代の失敗について書いてみます。
年上の部下に「もう少し明るく接客してほしい」と伝えた
その人は、私より3〜4歳ほど年上で、大きな会社で働いた経験のある人でした。話をきくと、結構バリバリに働いていたらしく、海外にも研修に向かう優秀な社員だったとの事でした。ただ、仕事ぶりを見ていて、最初に気になったのが接客です。当時の店は従業員も元気で活気があり、お客様にも明るく接する空間を作ることを大切にしていました。
ところが、その人は従業員同士で話すときは元気なのに、お客様への接客になると、あまり元気がありません。そこで私は一度、彼ときちんと話をした方がいいと考えました。
年上ということもあり、みんなの前で言うのは本人のプライドを傷つけるかもしれない。そう考えて1対1で話す場をつくり、「もう少し明るくお客様に接客してください。ここはそういうお店です」と、そのような内容を伝えました。
本人は、あまり納得していない様子。その後、少しずつ関係が悪くなっていきました。
店長として伝えただけでは、うまくいかなかった
その人を中心に仲の良いグループができ、私はそこから距離を置かれるようになりました。他の従業員とはそれまでと変わらず接していたものの、「これは失敗したな」と感じたのを覚えています。
上司にも相談しましたが、話を聞いてもらうところまでで、状況が大きく変わることはありません。その後、そのグループにいた従業員と関係を修復した際、「nobuのことを悪く言っていた」「拒むと自分の立場が悪くなりそうだった」という趣旨の話を聞きました。
とはいえ、その年上の人とも最終的には関係を修復できています。その人が会社にいる間は、普通に話せるどころか、仲良く仕事ができる関係になりました。
だからこそ、今になって思うことがあります。
最初から、もう少し違う関わり方ができたんじゃないか、と。
相手を変える前に、自分の関わり方を変える
当時の私は、店長として間違ったことを伝えたつもりはありません。店には店の考え方がありますし、お客様にどのように接してほしいのかを従業員に伝えることも、店長の役割の一つだと考えています。
ただ、「この店はこういう店だから、こうしてください」と伝えるだけでよかったのか。当時の事を思い出すとそう考えます。今なら、まず相手との関係をつくり、私自身がなぜその接客を大切にしているのかまで話します。加えて、相手の考えにも耳を傾けて自分や店・会社本位の考えに固執していないか。
「接客についてどう考えていますか?」
「仕事をしていて、やりづらいところはありますか?」
そんなところから始めてもよかったのかも、反省はしています。
ここでいう関係づくりは、飲み会に行って仲良くなるという話ではありません。まずは仕事の時間の中でコミュニケーションを取る。店や会社の考えだけでなく、自分がなぜそう考えているのかも伝え、そのうえで相手の話をとことん聞く。これは労務管理の上でも大切な考えかな、と思っています。
相手を思いどおりに変えることはできません。でも、自分のから相手への関わり方なら変えられます。
もちろん、そこまでやっても関係づくりが難しかった可能性はありますが、それでも、当時の私にはまだ試せることがあったはずです。
苦手なことだけでなく、得意なことを見る
もう一つ、今だからこそ思うことがあります。その人は接客や調理を得意としているタイプではありませんでした。一方で、クリンネスについてはかなり高いスキルを持っており、私も当時からそのことには気づいていました。
それなのに、その強みを十分に店へ生かすところまではできなかった。たとえば、清掃のやり方を他の従業員に教えてもらう。良いやり方を店のルールとして残す。その人が持っている知識を、個人の能力で終わらせず、店や会社のノウハウにする方法もあったな、と思います。
できていないところを見つけ、改善してもらうことも店長の仕事です。ただ、それだけでは、その人の力を十分に生かせません。
その人は何が得意なのか。何を任せれば力を発揮できるのか。
そこまで考えることも、店長の大切な役割だったのだと今では感じています。
年上の部下との関係づくりに失敗した経験は、当時の私にとって決して気持ちのいいものではありませんでした。それでも最終的には関係を修復し、一緒に仕事ができるようになりました。今、労務やマネジメントについて改めて考えてみると、当時とは違った景色が見えてきます。
店の考えを伝えるだけではなく、自分の考えも伝え、相手の話を聞く。そして、苦手なところだけを見るのではなく、その人の強みを店の力に変えていく。
もし今、同じような場面に出会ったら、私はそこから始めます。
いや、でも、大変だったな。
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