【飲食店の外国人雇用 #03】外国人スタッフを雇うときに知っておきたい労務管理

採用・雇用

こんにちは、nobuです。

今回は、飲食店の外国人雇用シリーズ第3弾です。これまでの記事では、外国人を採用する前に確認したいことや、留学生をアルバイトとして雇う際の注意点について紹介してきました。

第3弾のテーマは、外国人従業員を採用した後の労務管理です。外国人を雇用する場合も、日本人と同じように労働条件の明示や保険の加入確認が必要になります。また、外国人を雇用する際には、特有の届出もあるため注意が必要です。

こうした採用後の手続きや確認事項について、事業主や労務担当者が知っておきたいポイントを一緒に見ていきましょう。

▶ 関連記事
【飲食店の外国人雇用 #01】外国人を採用する前に、店で準備しておきたいこと
【飲食店の外国人雇用 #02】留学生を採用する前に、許可と働ける時間を確認しよう

外国人従業員にも日本の労働法が適用される

まず知っておきたいのは、外国人従業員にも日本の労働法が適用されるということです。

労働基準法第3条では、国籍を理由として、賃金や労働時間などの労働条件について差別的な取扱いをすることを禁止しています。

例えば、外国人だからという理由で最低賃金より低い時給を設定したり、残業代を支払わなかったりすることは認められません。

雇用形態や働く時間によって適用される制度に違いはありますが、外国人だから労働法の対象外になるわけではありません。日本人従業員と同じように、労働条件や働く時間を適切に管理することが基本です。

労働条件は本人が理解できるように伝えよう

従業員を採用するときは、賃金や労働時間、休日などの労働条件を明示する必要があります。これは外国人従業員も同じです。

厚生労働省では、外国人労働者向けに多言語の労働条件通知書のモデル様式を公開しています。英語や中国語、ベトナム語などの様式が用意されているため、必要に応じて活用してみてください。

▶ 厚生労働省|外国人労働者向けの情報・資料

ただし、翻訳された書類を渡せば、それだけで十分というわけではありません。シフトの決め方や休憩時間、給与の支払日など、実際に働くうえで大切なことは、本人が理解できているか確認しておきたいですね。

社会保険・雇用保険の加入を確認しよう

外国人従業員を採用した場合も、健康保険・厚生年金保険や雇用保険への加入が必要か確認しましょう。

ここで知っておきたいのは、外国人だから保険に加入できない、あるいは加入しなくてよいというわけではないことです。

基本的には、日本人従業員と同じように、勤務先の適用状況や働く時間、雇用形態などに応じて加入の必要性を判断します。

例えば、飲食店でフルタイム勤務する従業員と、学校に通いながら短時間だけ働く留学生では、保険の取扱いが異なる場合があります。

特に、昼間学校に通う学生は、雇用保険の加入対象から原則として除かれるため、確認が必要です。

保険の加入手続きを社労士などに任せている場合でも、事業主や労務担当者は、加入が必要か確認することを忘れないようにしましょう。

外国人雇用状況の届出も忘れずに

外国人従業員を雇い入れたときや離職したときには、原則として「外国人雇用状況の届出」が必要です。

これは、外国人の雇用状況を国が把握するための制度で、労働施策総合推進法第28条に定められています。

届出は、雇用保険に加入する従業員かどうかによって方法が異なります。雇用保険の資格取得届などによって届出を行う場合もあるため、必ず別の書類を提出するわけではありません。

なお、特別永住者など、一部の外国人は届出の対象外です。

実際の手続きを社労士などに任せているお店や会社もあると思います。その場合でも、外国人従業員の採用や退職の際には、必要な届出があることを知っておきましょう。

▶ 厚生労働省|外国人雇用状況の届出について

採用後は安全教育やコミュニケーションも大切に

必要な手続きが終わったら、いよいよ一緒に働くことになります。

飲食店では、包丁や調理機器、熱い油などを扱う場面も多くあります。仕事を教えるときには、作業の手順だけでなく、安全に働くためのルールも伝えなければなりません。

労働安全衛生法第59条では、労働者を雇い入れたときなどに、必要な安全衛生教育を行うことが定められています。

外国人従業員に対しても、本人が理解できる方法で教育することが大切です。例えば、言葉だけで説明するのが難しい場合には、実際の作業を見せたり、写真やイラストを使ったりする方法も考えられます。

厚生労働省では、外国人労働者向けの安全衛生教材も公開しています。こうした資料も活用しながら、誰もが安全に働ける職場をつくっていきたいですね。

また、仕事を始めたばかりの従業員は、分からないことがあっても質問しにくい場合があります。「説明したから大丈夫」と考えるのではなく、実際に理解できているかを確認することも、店長や教育担当者の大切な役割だと思います。

まとめ

外国人従業員を採用した後は、労働条件の明示や保険の加入確認、外国人雇用状況の届出など、押さえておきたいことがあります。

こうした手続きのすべてを、経営者や店長が詳しく覚える必要はありません。ただ、何が必要なのかを知り、適切に対応できているか確認することは大切です。

そして、手続きと同じくらい大切にしたいのが、採用した従業員が安心して働ける環境を整えること。

言葉や文化の違いがあっても、一緒に働く仲間であることに変わりはありません。必要なルールを守りながら、一人ひとりが安心して働けるお店や会社をつくっていきたいですね。

参考にした公的情報

この記事は、以下の法令・公的情報をもとに作成しています。

※法令・公的情報は2026年10月時点の内容を確認しています。

コメント