こんにちは、nobuです。
飲食店で新人アルバイトを採用すると、最初は先輩が横について仕事を教えることも多いと思います。レジの操作を覚えたり、メニューを確認したり、料理の提供方法を教わったりと、一人で仕事ができるようになるまでには時間がかかるものですよね。
そんなとき、「研修期間だけ時給を少し低く設定してもいいの?」と疑問に思う店長や経営者もいるのではないでしょうか。
研修中と研修後で違う時給を設定する場合、まず確認したいのが最低賃金です。また、採用するときに研修期間や時給をどのように決め、本人へ伝えるかも大切になります。
この記事では、新人アルバイトの研修時給について、飲食店や飲食企業が確認しておきたいポイントを、できるだけ分かりやすく整理します。
研修中と研修後で違う時給を設定してもいい?
まず結論からいうと、研修中の時給を研修後より低く設定すること自体が、最低賃金法上ただちに問題になるわけではありません。
ただし、研修中であっても、働く地域に適用される最低賃金以上の時給を支払う必要があります。
たとえば、研修終了後の時給を1,200円、研修中を1,100円と設定したとします。その地域の最低賃金が1,050円だった場合、研修中の1,100円は最低賃金を上回っています。
大切なのは、「研修中だから安くしてもいい」と考えるのではなく、まずお店がある地域の最低賃金を確認することです。
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新人でも研修中でも最低賃金は適用される
最低賃金は、原則としてパートやアルバイトなどの雇用形態や呼び方にかかわらず適用されます。
そのため、「アルバイトだから」「新人だから」「まだ仕事を覚えている途中だから」という理由だけで、最低賃金を下回る時給にすることはできません。
飲食店では、新人スタッフがまだレジを一人で操作できなかったり、メニューを覚えている途中だったりすることもあります。先輩スタッフが付き添って仕事を教えるため、最初はお店側の負担も大きいでしょう。
それでも、「研修中」という理由だけで最低賃金が適用されなくなるわけではありません。
まずは、お店がある地域の最低賃金を確認し、研修中の時給がその金額を下回っていないか確認しましょう。
研修期間がいつ終わるのかも明確にしておこう
研修時給を設定するなら、「研修中はいくらか」だけではなく、「いつ研修が終わるのか」も整理しておきたいところです。
たとえば、「入社から1か月」と期間を決める方法もあれば、一定の業務を一人でできるようになることを研修終了の目安にする場合もあるでしょう。
ただ、「仕事を覚えるまで」「店長が認めるまで」といった曖昧な決め方では、働く本人からすると、いつ研修が終わり、いつ時給が変わるのか分かりにくくなります。
僕は、研修時給を設定するのであれば、研修中の時給だけでなく、研修期間や終了の基準についても、できるだけ分かりやすくしておくことが大切だと考えています。
働く人にとって分かりやすいだけでなく、お店や会社にとっても管理しやすくなるはずです。
研修時給は採用するときにきちんと伝える
最低賃金をクリアしていれば、それだけ確認すれば終わりというわけでもありません。
労働基準法第15条では、労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示することが使用者に義務づけられています。
たとえば、次のような条件で採用するとします。
- 研修期間:入社から1か月
- 研修中:時給1,100円
- 研修終了後:時給1,200円
この場合、働き始めてから初めて研修時給を伝えるのではなく、採用するときに条件を明確にしておきましょう。
厚生労働省では、労働条件通知書のモデル様式も公開しています。研修期間や時給を設定するときも、本人との認識がずれないよう、働き始める前に条件を確認しておくことが大切です。
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採用したあとに時給を下げるのは別の話
ここも混同しないようにしたいところです。
最初から「研修中は時給1,100円、研修終了後は1,200円」という条件で労働契約を結ぶ場合と、「時給1,200円」で採用したあとに「やっぱり研修中は1,100円にしよう」と変更する場合は同じではありません。
労働契約法第8条では、労働者と使用者が合意することによって、労働条件を変更できると定められています。
そのため、最低賃金を上回っているからといって、すでに決めた時給を会社側の判断だけで自由に下げてよいということにはなりません。
今回の記事で扱っている研修時給は、採用するときから研修中と研修後の条件を分けて設定するケースとして考えてください。
求人に書いた時給も確認しておこう
もう一つ確認しておきたいのが、求人を出すときの条件です。
労働者を募集するときには、賃金などの労働条件を明示する必要があります。また、募集時に明示した労働条件を変更して労働契約を締結しようとする場合には、その変更内容を明示する必要があります。
そのため、研修時給を設けるのであれば、求人の段階から条件が分かるようにしておくことが大切です。
たとえば、求人には「時給1,200円」とだけ記載しておき、採用するときになって初めて「最初の1か月は研修なので1,100円です」と伝えるのではなく、募集時から研修期間や研修中の時給が分かるようにしておきましょう。
求人、採用時の説明、実際の労働条件がバラバラにならないよう、一度確認してみてください。
新人アルバイトを採用するときに確認したいこと
研修時給を設定するときは、難しく考えすぎず、まず次の点を順番に確認してみましょう。
- 研修中の時給が最低賃金を下回っていないか
- 研修期間と研修中の時給が明確になっているか
- 研修が終わる時期や基準が明確になっているか
- 研修終了後の時給が明確になっているか
- 採用時に賃金などの労働条件をきちんと明示しているか
- 求人で示した条件と実際の条件に違いがないか
僕は、研修時給を設定するかどうか以上に、「働き始める前に条件を曖昧にしないこと」が大切だと考えています。
飲食店では、人手が足りないと「とにかく早くシフトに入ってほしい」と採用を急ぎたくなることもあるでしょう。ただ、時給や研修期間についてお店と本人の認識が違えば、働き始めたあとにトラブルや不信感につながる可能性があります。
研修中だからという感覚だけで時給を決めるのではなく、最低賃金を確認し、研修中と研修後の条件を整理して本人へ伝える。
新人スタッフを迎えるときは、ここから確認してみてください。
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参考にした公的情報
この記事は、以下の法令・厚生労働省の公的情報を確認して作成しています。
- 最低賃金法
- 労働基準法第15条
- 労働契約法第8条
- 職業安定法第5条の3
- 厚生労働省「最低賃金制度」
- 厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」
- 厚生労働省「募集時等に明示すべき事項」
※最低賃金額や制度の内容は変更されることがあります。実際に研修時給を設定するときは、最新の法令や働く地域に適用される最低賃金をご確認ください。


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