こんにちは、nobuです。
「週4日、1日5時間くらい働いてもらえたら助かる」。留学生のアルバイト採用を考えるときも、まずは店で必要な曜日や時間を思い浮かべますよね。ただ、自分の店では週28時間以内でも、掛け持ち先の勤務を合わせると、働ける時間の上限を超えることがあります。
採用を進める前に知っておきたいのが、アルバイトに必要な許可と勤務時間のルールです。第一弾では、任せる仕事や教える人など、店側の準備を整理しました。第二弾の今回は、留学生を採用する場合に絞って、店が希望するシフトで働いてもらえるかを確認していきましょう。
採用前の準備をまだ整理できていない方は、第一弾も合わせて読んでみてください。
▶ 関連記事:【飲食店の外国人雇用 #01】外国人スタッフを採用する前に、店で準備しておきたいこと
「留学」の在留資格だけでは、アルバイトはできない
「留学」は、日本で学ぶための在留資格です。飲食店でアルバイトをするには、原則として「資格外活動許可」を受ける必要があります。
少し難しい名前ですが、留学生の場合は、学業に支障のない範囲でアルバイトをするための許可、と考えると分かりやすいですね。採用する店は、在留資格だけでなく、この許可を受けているかも確かめます。
応募者が「これから申請します」と話していても、許可を受ける前に働いてもらうことはできません。人手が足りないと、すぐにでも来てほしくなるもの。だからこそ、働き始める前に確認することを、店側で決めておきたいところです。
在留カードは、表と裏の両方を見る
応募者が現れたら、まず在留カードの表面で、在留資格と在留期限を確認します。留学生の場合、表面に「就労不可」と書かれていることがあります。これは、「留学」の資格だけでは働けないという意味です。
ただし、別に「資格外活動許可」を受けていれば、許可された範囲でアルバイトができます。そのため、表面だけで判断せず、裏面の「資格外活動許可欄」も見てみましょう。一般的なアルバイトの許可では、原則として週28時間以内で働けることと、風俗営業などの仕事はできないことが書かれています。「資格外活動許可書に記載された範囲内」と書かれている場合は、その許可書で、どんな仕事ができるのかを確認してください。
飲食を提供する店なら、どこでも働けるわけではありません。風俗営業などが行われている店では、一般的な資格外活動許可で働くことはできないため、自分の店の仕事が許可の範囲に入るかも確かめておきましょう。
週28時間は、掛け持ち先も含めて考える
一般的な資格外活動許可で留学生がアルバイトできる時間は、原則として週28時間以内です。一つの店ごとに28時間働けるわけではなく、掛け持ちしている場合は、ほかの勤務先の時間も合計して考えます。
たとえば、自分の店で週20時間、別の店で週10時間働くなら、合計は30時間。「うちでは28時間以内だから大丈夫」とは判断できません。
店で働いてほしい時間を決めたら、応募者には、ほかにアルバイトをしているか、そこで週に何時間ほど働いているかも聞いておきましょう。その時間と合わせて、希望するシフトで働いてもらえるかを確かめます。
なお、週28時間は上限であって、必ずそこまで働いてもらうという意味ではありません。授業の予定や本人の希望も聞きながら、無理なく続けられる時間を相談したいですね。
夏休みなどの長期休業期間は、1日8時間以内
学校の学則で定められた夏休みや冬休みなどの長期休業期間には、1日8時間以内のアルバイトが認められます。通常の週28時間以内とは、扱いが変わる期間です。
ただし、授業がない日や、本人が学校を休んでいる日が、そのまま長期休業期間になるわけではありません。「来月は学校が休みです」と聞いたら、学校の年間予定表などで、いつからいつまでなのかを確かめておくと安心です。
飲食店では、夏休みなどの忙しい時期に、いつもより多く働いてもらいたいこともありますよね。ただ、学校の長期休業が終われば、通常の時間制限に戻ります。休業中だけ増やすシフトなのか、その後も続けてほしい働き方なのかを分けて相談しておきましょう。
また、1日8時間以内という許可があっても、毎日休みなく働いてもらってよいわけではありません。労働時間や休憩、休日などのルールは、外国人従業員にも適用されます。
閉店作業や急な延長も、勤務時間に含めて考える
飲食店では、混雑や急な欠勤で、予定より勤務が延びることがありますよね。採用前には、希望するシフトが時間制限に収まるかだけでなく、延長が起きたときにどう対応するかも考えておきたいところです。
たとえば、掛け持ち先も含めて週28時間になる予定なら、追加で働いてもらう余地はありません。「あと1時間だけ」「本人も了承している」という理由で、許可の範囲を超えられるわけではないからです。
閉店後の片付けまで任せるなら、その時間も含めて勤務を相談しましょう。営業時間だけで計算すると、実際に仕事が終わる時間とずれてしまいます。閉店作業が長引きやすい店なら、少し余裕を持たせたシフトにする方法もありますね。
採用後、誰が勤務時間を確認するかも決めておくと安心です。店長だけが条件を知っている状態にせず、シフト担当者や勤務の延長を判断する人にも共有しておきましょう。
許可と時間の確認は、本人の学業を守るためにも必要
必要な許可を受けずに働くことや、許可された範囲を超えて働くことは、不法就労に当たります。本人の在留期間の更新や学業の継続に影響する場合があり、店側も処罰の対象になる可能性があります。
働ける条件を確かめることは、店のリスクを減らすだけでなく、本人が日本で学び続けるためにも必要です。「本人が大丈夫と言っているから」で終わらせず、店側でも書類と予定の勤務時間を照らし合わせたいですね。
許可の内容や働ける範囲が分からない場合は、勤務を始める前に出入国在留管理庁などへ確認してください。
採用前に確認したいこと
留学生の採用に向けた準備は、次の順番で整理できます。
- 店で任せる仕事と、働いてほしい曜日・時間を決める
- 応募者の在留資格、在留期限、資格外活動許可の内容を確認する
- 掛け持ち先の勤務時間も含め、予定のシフトが制限に収まるか確かめる
- 長期休業中の勤務を予定する場合は、その期間と休業後の働き方を相談する
留学生を採用するときも、出発点は店が希望する働き方をはっきりさせること。そのうえで、本人に認められた条件と合うかを確認します。店の都合と本人の学業、どちらにも無理のない働き方を、一緒に考えていきたいですね。
次回は、採用が決まった後の労働条件の明示、保険の加入確認、必要な届出を取り上げます。
参考にした公的情報
制度・資料の確認日:2026年9月。この記事では、在留資格「留学」で一般的な資格外活動許可を受けている場合を中心に説明しています。実際に働ける仕事や時間は、本人の許可内容や学校の長期休業期間などを確認して判断してください。
- 厚生労働省「外国人の雇用」
- 出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」
- 出入国在留管理庁「在留カードはどういうカード?」
- 出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」
- 出入国在留管理庁「日本語教育機関への入学をお考えのみなさまへ」


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