【パワハラを考える #04】従業員から「パワハラです」と相談されたら?会社・店が確認したい対応の流れ

パワハラを考える

こんにちは、nobuです。

「先輩の指導が怖いです。これってパワハラじゃないですか?」

ある日、従業員からこんな相談を受けたとします。話を聞いてみると、仕事を教えている先輩従業員から、営業中に何度も強い口調で注意されていたとのこと。ただ、店長自身はその場を見ていません。こんなとき、店長や経営者はどう対応すればいいのでしょうか。

「仕事の指導だから問題ない」「それはパワハラだ」と、その場で決めるのは避けたいところです。「パワハラを考える」シリーズ第4回では、従業員からパワハラについて相談を受けたとき、お店や会社がどのように対応すればよいのか。一つのケースをもとに、基本的な流れを見ていきましょう。

▶ パワハラの相談を受けたときの対応フロー
従業員から相談を受けたときの基本的な流れを、1枚の資料にまとめていますので、是非ご活用ください。

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まずは相談者の話を聞く

最初にやることは、相談してきた従業員の話を聞くことです。

「それくらい普通だよ」
「指導なんだから仕方ない」
「相手にも悪気はないと思うよ」

このように、その場で判断するのは避けましょう。

まず確認したいのは、実際に何があったのかです。いつ、どこで、誰から、どんなことを言われたのか。どのくらいの頻度で続いていたのか。そのとき周りに誰かいたのか。

相談者がどのように感じたかにも配慮しながら、できるだけ具体的に整理していきます。厚生労働省の指針でも、パワハラについて相談があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認することが求められています。

また、相談を受けてすぐに先輩従業員を呼び出して問い詰めるのも避けたい対応です。誰に、どのような範囲で事実確認を行うのか。相談者のプライバシーにも関わるため、今後どのように確認を進めるのかを説明しておくことが大切になります。

厚生労働省「あかるい職場応援団」の実務資料では、相談者の了解を得たうえで、行為者や第三者への事実確認を行う流れが示されています。特に小さなお店では、「誰かが相談したらしい」という話が広がるだけでも、相談した本人が働きづらくなるかもしれません。

必要な事実確認は行いつつ、関係のない人にまで話を広げないよう注意したいところです。

双方から話を聞いて、何があったのか確認する

相談者の話を聞いたら、次は指導した先輩従業員からも話を聞きます。

ここで大切なのは、最初から「パワハラをした人」と決めつけないことです。たとえば相談者からは「何度も強い口調で注意された」と聞いていても、先輩従業員には別の認識があるかもしれません。

何について注意したのか。実際にどのような言葉を使ったのか。どのくらいの頻度だったのか。なぜそのような指導をしたのか。一方の話だけで結論を出さず、双方から事実を確認していきます。

相談者は「みんなの前で怒鳴られた」と話している。一方、先輩従業員は「普通に注意しただけ」と話している。こうした食い違いが出ることもあります。双方から話を聞いても事実関係を十分に確認できない場合には、その場にいた従業員など、必要に応じて第三者からも話を聞きます。

ただし、むやみに多くの人へ聞けばいいわけではありません。第三者への聞き取りによって情報が広がる可能性もあるため、必要な範囲に絞ることが大切です。

そして、ここまで確認してからパワハラに当たるかどうかを考えていきます。職場のパワハラは、単に「厳しく注意された」「嫌な気持ちになった」というだけで決まるものではありません。

これまでの記事でも紹介してきたように、

・優越的な関係を背景とした言動であること
・業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であること
・働く環境が害されること

この3つをすべて満たすものが、職場のパワハラに当たります。

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そのため、どのような目的で行われた指導だったのか、言い方や回数はどうだったのか、どのような状況だったのかなどを、確認できた事実から考えていく必要があります。業務上必要な注意や指導まで、すべてパワハラになるわけではありません。

だからこそ、相談を受けた時点で白黒をつけるのではなく、まず何があったのかを確認することが大切です。

確認した後は、対応と再発防止へ

相談者や行為者、必要に応じて第三者から話を聞いたら、確認できた事実を整理します。

そのうえで、パワハラの3つの要素や、指導の目的、言い方、頻度、そのときの状況などを踏まえ、会社として必要な対応を検討していきます。

たとえば、相談した従業員が安心して働き続けられるよう配慮することや、必要に応じた配置の見直し、行為者への対応などです。行為者への措置についても、その場の感情で決めるのではなく、確認できた事実や就業規則などを踏まえて考える必要があります。

そして、忘れてはいけないのが再発防止です。なぜそのような指導になったのか。ほかにも同じような指導が行われていないか。店や会社として、注意・指導の仕方を共有できていたか。一つの事案への対応だけで終わらせず、同じようなことが起きない職場にしていくところまで考えていきます。

また、事実確認をしても、双方の話が食い違うなど、パワハラの事実を十分に確認できないケースもあります。

だからといって、そこで何もしなくていいとは限りません。

たとえば、パワハラに該当するかどうかとは別に、言い方が強すぎた。指導が一人に集中していた。人前で注意することが当たり前になっていた。事実確認を進めるなかで、そんな職場の課題が見えてくることもあります。厚生労働省の指針でも、パワハラの事実が確認できなかった場合を含め、再発防止に向けた措置を講じることが示されています。

「パワハラだったか、違ったか」だけを見るのではなく、今回の相談をきっかけに、店や会社の指導方法を少し良くできないか。そこまで考えてみることも大切ではないでしょうか。

また、パワハラの相談を受けたからといって、店長一人ですべてを判断しなければならないわけではありません。会社に相談窓口や人事担当者がいるのであれば、社内で決められた手順に沿って連携します。経営者や本部へ報告するルールがある場合も同じです。問題が起きてから慌てるのではなく、普段から「相談を受けたら誰につなぐのか」「誰が事実確認をするのか」を決めておく。

小さなお店や会社でも、こうした流れを簡単に決めておけば、いざというときに動きやすくなります。

まとめ

従業員から「パワハラではないですか」と相談を受けると、店長や経営者も戸惑うと思います。

ただ、その場ですぐにパワハラかどうかを決める必要はありません。

まず話を聞く。そして、相談者だけでなく行為者からも話を聞き、必要であれば第三者にも確認する。そのうえで、確認できた事実をもとに考えていきます。

相談した人の話を最初から疑わない。一方で、指導した人を最初から悪者にもしてしまわない。

まず、何が起きたのかを見る。

そして問題が見つかったのであれば、パワハラに該当するかどうかだけで終わらせず、これからの指導や職場づくりに生かしていく。

それが、お店や会社でパワハラの相談を受けたときの大切な対応だと私は考えています。

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