飲食店で突然の欠勤が発生したら?無断欠勤・当日欠勤への対応と備え

従業員対応

こんにちは、nobuです。

「今日、体調が悪いので休ませてください」

ランチ営業が始まる30分前、出勤予定の従業員から突然の連絡。あるいは、出勤時間になっても従業員が来ず、連絡も取れない。

飲食店の経営者や店長なら、こうした状況に困った経験があるかもしれません。

飲食店では、限られた人数で営業していることも多く、一人欠けるだけで現場の負担が大きくなります。特に忙しい時間帯は、残された従業員への影響も小さくありません。

では、突然の欠勤が発生したとき、お店や会社はどのように対応すればよいのでしょうか。

今回は、無断欠勤と当日の急な欠勤への対応について、私自身の飲食店経営時代の経験も交えながら考えていきます。

無断欠勤と当日の急な欠勤は分けて考えよう

まず、無断欠勤と当日の急な欠勤は、区別して考える必要があります。

例えば、出勤予定の従業員から、勤務開始30分前に体調不良の連絡があった場合。急な欠勤ではありますが、本人から連絡があった以上、無断欠勤とは異なります。

一方で出勤時間を過ぎても従業員が現れず、連絡もない場合は、無断欠勤が疑われる状況です。ただし、連絡がないからといって、すぐに勤務態度の問題だと決めつけるのは避けたいところ。事故や急病など、本人が連絡できない事情も考えられます。

まずは状況を確認し、それぞれの事情に応じて対応することが大切です。

突然の欠勤が発生したら、まずどうする?

急な欠勤が発生したときは、本人の状況を確認するとともに、その日の営業をどう回すか考える必要があります。

特に忙しい時間帯は、本人への確認と人員確保を並行して進めることもあるでしょう。

本人から欠勤の連絡があった場合

体調不良などで欠勤の連絡があった場合は、まず本人の状況を確認しましょう。

無理に出勤を求めるのではなく、必要に応じて休養や受診を促すことも考えられます。また、次回の出勤予定についても、本人の状況に応じて確認しておくとよいでしょう。

連絡がなく、出勤してこない場合

出勤時間を過ぎても従業員が来ない場合は、電話などで本人に連絡を取り、状況を確認します。

連絡が取れない場合も、直ちに勤務態度の問題と決めつけず、連絡した日時や方法を記録しておきましょう。本人の安全が心配される状況であれば、事情に応じた安否確認も必要です。

大切なのは、感情的に対応するのではなく、確認できた事実を整理することです。

欠勤が発生したときの対応の流れ

  1. 欠勤の連絡や出勤していない状況を確認する
  2. 本人の体調や事情を確認する
  3. 代替要員の確保や営業体制を調整する
  4. 出勤している従業員の負担を確認する
  5. 後日、必要に応じて本人への聞き取りや指導を行う

これは対応の一例です。実際には、本人の状況確認と人員確保を並行して行うなど、その日の状況に応じて対応しましょう。

人手が足りないとき、どう営業を回す?

突然従業員が休むと、残された少ない従業員で営業を続けなければなりません。

私が飲食店を経営していた頃も、当日の急な欠勤を何度も経験しました。そのようなときは、私や社長が現場に入って対応したり、近隣店舗からピークタイムだけ応援に来てもらうこともありました。

一日中の応援が難しくても、特に忙しい時間帯に人手を確保できれば、現場の負担を軽減できます。ただし、いつでも代替要員を確保できるとは限りません。その場合は、当日の業務に優先順位をつけ、必要に応じて営業体制を調整することも考えたいところです。

例えば、急ぎではない業務を後日に回したり、状況に応じて予約の受け入れを調整したりする方法もあります。ただし、衛生管理など必要な業務を省略してよいわけではありません。

人手が足りないからといって、残された従業員に無理をさせないことが大切です。

出勤してくれた従業員への配慮も忘れずに

急な欠勤が発生したとき、欠勤した従業員への対応に意識が向きがちですが、その日出勤している従業員への配慮も欠かせません。

一人欠けた分、ほかの従業員が普段以上に忙しくなります。

私が店長や経営者として現場に立っていた頃は、こうした状況だからこそ、いつも以上に明るく従業員に接することを意識していました。忙しいときほど、店長の焦りや不機嫌さは現場に伝わってしまうものです。

もちろん、明るく接するだけで人手不足が解消するわけではありませんが、店長自身も現場に入り、できる限り従業員の負担を減らすことが大切だと考えています。

また、営業後には、忙しいなか対応してくれた従業員へ感謝を伝えたいところです。

「今日は大変だったね。ありがとう」

そんな一言に加えて、次のような点も確認しておきましょう。

  • 予定していた休憩をきちんと取れていたか
  • 残業が発生していないか、実際の労働時間を把握できているか
  • 特定の従業員に業務が集中していなかったか
  • 翌日以降の勤務に無理が生じていないか

感謝を伝えることと、実際の負担を減らすことは、どちらも大切です。

なお、人手不足の場合でも、法定の休憩時間や労働時間、必要な割増賃金などのルールは守らなければなりません。

▶ 関連記事
飲食店の休憩時間|忙しくて休憩が取れないときの考え方

欠勤した従業員には、事情を聞いて必要な指導をする

欠勤した従業員が次に出勤した際は、まず本人の状況を確認しましょう。

体調は回復しているか、欠勤に至った事情は何だったのか。連絡が遅れた場合には、その理由も確認します。

ここで大切なのは、欠勤したことと、連絡方法などに問題があったことを分けて考えることです。

例えば、急な体調不良で出勤できなかった場合と、事前に連絡できる状況だったにもかかわらず、連絡を怠った場合では、対応の考え方が異なります。

必要な事情確認を行ったうえで、改善できる部分があれば注意・指導を行いましょう。

当日の欠勤が繰り返される場合は?

私自身、飲食店を経営していた頃に当日の急な欠勤は経験しましたが、同じ従業員が繰り返し欠勤するケースはありませんでした。

ただ、こうした状況が続く場合には、本人への聞き取りがより重要になります。体調や家庭の事情、勤務時間の負担など、欠勤が続く背景に何か問題がないか確認する必要があるでしょう。

そのうえで、連絡方法や勤務上のルールについて改善が必要であれば、具体的に伝えます。面談の日時、本人の説明、指導した内容などを記録しておくことも大切です。注意・指導を重ねても改善が見られない場合には、就業規則やこれまでの経緯を確認し、個別に対応を検討する必要があります。

無断欠勤が続いた場合でも、すぐに懲戒処分や解雇ができるわけではありません。労働契約法第15条・第16条では、懲戒処分や解雇には、合理的な理由があり、処分の重さも適切であることが求められています。

そのため、まずは欠勤した理由や回数、これまでの注意・指導の状況などを確認し、慎重に対応することが大切です。

▶ 関連記事
飲食店の問題社員対応|トラブルが起きたときに最初にやるべき4つのこと

体調不良で休んだ場合、診断書は必要?

当日の急な欠勤があったとき、店長や経営者が気になることの一つが、診断書の取り扱いではないでしょうか。体調不良を理由に欠勤した場合でも、すべてのケースで診断書の提出が法律上一律に義務付けられているわけではありません。

診断書を求める際は、利用目的を明確にし、必要な範囲の情報を取得するとともに、閲覧できる人を限定するなど、適切に管理しましょう。

診断書を提出しなかったという理由だけで、直ちに無断欠勤と判断したり、懲戒処分を決めたりすることは避けたいところです。提出に関するルールや個別事情を確認したうえで対応することが大切です。

急な欠勤に備えて、ルールを明確にしておこう

突然の欠勤が発生してから対応を考えるのでは、店長や残された従業員の負担が大きくなります。だからこそ、普段から欠勤時のルールや対応方法を明確にしておくことが重要です。

私が飲食店を経営していた頃は、欠勤する場合、従業員から私に連絡してもらっていました。

今振り返ると、連絡先を決めるだけでなく、欠勤の予防と発生時の対応について、あらかじめルールを整えておくことが大切だったと感じています。

欠勤時の連絡ルールを決める

例えば、次のような内容です。

  • 欠勤が分かった時点で、できるだけ早く連絡する
  • 誰に、どの方法で連絡するかを決める
  • 店長が不在の場合の連絡先を決める
  • 本人が連絡できない場合の対応を決める
  • 欠勤が続く場合の連絡方法を確認する

ただし、急病や事故など、事前に連絡することが難しい場合もあります。決められた時間までに連絡できなかったという理由だけで、事情を確認せずに対応を決めることは避けましょう。

決めたルールは、繰り返し従業員に伝える

ルールは作っただけでは十分ではありません。従業員が内容を理解し、必要なときに確認できる状態にしておくことが大切です。

例えば、次のような機会を活用できます。

  • 入社時の説明で、欠勤時の連絡先や連絡方法を伝える
  • 店舗ミーティングで、定期的にルールを確認する
  • 連絡先や対応方法が変わった場合は、速やかに周知する
  • 就業規則や社内の案内など、後から確認できる形にしておく

特に入社時は、従業員にお店や会社のルールを理解してもらう大切な機会です。最初に説明して終わりではなく、ミーティングなどでも繰り返し伝えていきたいところですね。

お店や会社としてルールをきちんと整備し、従業員全員に周知していることが伝われば、急な欠勤が発生したときも、どう行動すればよいか迷いにくくなります。

なお、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、労働基準法第89条により就業規則の作成・届出が義務付けられています。また、就業規則は、労働基準法第106条に基づいて労働者に周知する必要があります。

10人未満の事業場でも、欠勤時の連絡方法などを明確にしておくことは大切です。

ただし、ルールを周知したからといって、急病などの個別事情を無視してよいわけではありません。決めたルールを基本としながら、必要な配慮も忘れないようにしましょう。

代替要員の確保方法を決めておく

欠勤時の連絡ルールと併せて、人員不足への対応も考えておきたいところです。

例えば、誰が代替要員の確保を判断するのか、近隣店舗へ応援を依頼する場合の連絡先はどこか、ピークタイムに何人必要なのかといった点を整理しておきます。

また、人員が確保できない場合に、どの業務を優先し、営業をどう調整するかについても、事前に考えておくとよいでしょう。

突然の欠勤が発生しても、店長が一から対応を考えなくて済むようにしておくことが大切です。

普段から相談しやすい関係をつくる

ルールを整えることに加えて、日頃のコミュニケーションも大切です。

シフトに無理がないか、仕事や人間関係で困っていることはないか。普段から従業員の様子を確認しておくことで、問題が大きくなる前に相談してもらえる可能性があります。

もちろん、どれだけ準備をしていても、急な欠勤を完全になくすことはできません。

大切なのは、欠勤を責める仕組みではなく、必要な連絡ができ、問題が起きたときに適切に対応できる仕組みを整えることだと思います。

▶ 関連記事
飲食店の1on1ミーティング|部下が本音を話せる職場づくり

まとめ

飲食店では、一人の欠勤が営業全体に影響することがあります。その為、欠勤した本人への事情確認や必要な指導だけでなく、代替要員の確保、出勤している従業員への配慮、普段からのルールづくりが欠かせません。

私自身、飲食店を経営していた頃は、急な欠勤があれば現場に入り、近隣店舗からの応援も活用していました。今なら、それに加えて、欠勤時の対応方法や連絡ルールをより明確にし、入社時やミーティングの機会に繰り返し伝えておきたいと考えています。

突然の欠勤を完全に防ぐことは難しくても、事前の準備によって、現場の混乱や従業員への負担を減らすことはできます。

お店の営業を守りながら、そこで働く人も大切にするためにも、まずは自分のお店や会社の欠勤時のルールと、その周知方法を一度確認してみてはいかがでしょうか。

参考にした公的情報

この記事は、以下の法令・公的情報をもとに作成しています。

※法令・公的情報は2026年10月時点の内容を確認しています。

コメント