こんにちは、nobuです。
「最近、従業員とちゃんと話せていますか?」
飲食店では、毎日顔を合わせていても、仕事の話以外はほとんどできていないことがあります。営業中は目の前のお客様への対応に追われ、営業が終われば片付けや翌日の準備。気づけば、従業員と落ち着いて話す時間がないまま、一日が終わってしまう事あるんじゃないでしょうか。
私自身、飲食業の現場に長くいたので、その難しさはよく分かります。だからこそ、以前の職場では、部下と向き合うための1on1ミーティングを取り入れていました。
今回は、私が実際に行っていた方法と、なぜコミュニケーションの時間を大切にしていたのかについてお話しします。
是非、参考にしてみてください。
飲食店は、意外と「話す時間」がない
飲食店はチームで働く仕事です。調理、接客、仕込み、洗い場など、それぞれが役割を担い、声をかけ合いながら営業を進めています。
それなのに、仕事に関する悩みや不満を落ち着いて話す時間は、意外と少ないものです。
「最近、仕事の負担が大きい」
「あのルール、ちょっとやりにくい」
「店長に言いたいことがあるけど、忙しそうで話しかけづらい」
こうした小さな声が、日々の営業の中で埋もれてしまうことがあります。もちろん、コミュニケーション不足だけが職場の問題を生むわけではありません。しかし、相談や意見を伝えにくい状態が続けば、負担の偏りや人間関係のすれ違いに気づくのが遅れることもあります。
だからこそ、忙しい飲食店ほど、意識して話す時間をつくる必要があると私は常々考えていました。
私が行っていた月1回の1on1ミーティング
私が取り入れていたのは、月に1回、部下と1対1で話す時間を設けることでした。もちろん、労働時間内に行います(さらっと言いましたが、労務管理をするうえでとても重要ですよね)
営業が終わり打刻をしてから、わざわざ残ってもらうのではありません。仕事の一つとして、きちんと時間を確保する。忙しいからこそ、後回しにしないようにしていました。
そして、ミーティングには二つのルールを設けていました。
ルール1.店や会社に一つ、店長に一つ、言いたいことを持ってくる
一つ目は、最低でも「店や会社に対して一つ」「店長に対して一つ」、言いたいことを持ってきてもらうことです。
何でも構いません。大きな問題である必要もありません。小さいことでもいいので、とにかく、従業員が意見できる練習をさせたかったのです。
- 「この作業、もう少し効率よくできると思います」
- 「シフトのことで相談したいです」
- 「店長のあの言い方、ちょっと気になりました」
- 「もっとこういう仕事を任せてもらいたいです」
特に、店長に対して言いたいことを持ってきてもらうのは、少し勇気がいることだと思います。私自身、耳の痛い話を聞くこともありますからね(笑)。
でも、店長だからといって、すべて正しいわけではありません。自分では気づいていない言動や、現場の人にしか分からない問題もあります。
部下が「それは違うと思います」と言える関係でなければ、店長も自分の問題に気づけない。そう考えていたので、あえて店長への意見もルールに入れていました。
ルール2.話し合いは、その場で完結。後に引きずらない
二つ目は、話し合いを後に引きずらないことです。
言いたいことを言ってもらったのに、その後の営業で店長が不機嫌になったり、「この前、あんなことを言っていたよね」と責めたりしては、次から誰も本音を話してくれなくなります。
意見が違っても、まずは受け止める。必要であれば、その場でお互いの考えを伝え、納得できるところまで話し合う。そして、ミーティングが終わったら、普段どおりに接する。
これを大切にしていました。
もちろん、すべての問題がその場で解決するわけではありません。会社への確認が必要なことや、すぐには改善できない課題もあります。そうした場合は、「誰が、いつまでに、何を確認するか」を決め、次につなげることが必要です。
話したことをなかったことにするのではなく、感情を後に引きずらない。
その違いは、とても大切だと思っています。
最大の目的は、心理的安全性を高めること
1on1の目的は、単に部下の不満を聞くことではありません。私が一番大切にしていたのは、心理的安全性を高めることです。
心理的安全性とは、簡単に言えば、職場で自分の意見や疑問、失敗などを伝えても、否定されたり、不利益を受けたりすることを過度に恐れずにいられる状態のことです。
「こんなことを言ったら怒られるかな」
「店長に反対意見を言ったら、評価が下がるかも」
「自分だけが不満を持っているのかもしれない」
こうした不安が強い職場では、言いたいことがあっても飲み込んでしまいがちです。
私が目指していたのは、部下が店長に対しても、安心して自分の考えを伝えられる環境でした。
ただし、心理的安全性が高いことは、何を言っても許されるという意味ではありません。相手を傷つける言動や、必要な指導をしなくてよいということでもないのです。
お互いを尊重しながら、言うべきことは言える。間違いがあれば指摘できるし、分からないことは質問できる。そんな関係をつくることが大切だと考えています。
飲み会の愚痴大会だけでは、改善につながらないこともある
飲食店では、仕事終わりにスタッフ同士で飲みに行くこともありますよね。そこで店の不満や店長への愚痴が出ることもあると思います。
愚痴を話すこと自体が悪いわけではありません。誰かに話を聞いてもらうだけで、気持ちが軽くなることもあります。
ただ、飲み会でどれだけ不満が出ても、その内容が店長や会社に届かなければ、業務改善には結びつかないことが多いのではないでしょうか。
「シフトがきついよね」
「このやり方、無駄が多いよね」
「店長、あの言い方はないよね」
せっかく現場の人が感じている問題なのに、愚痴だけで終わってしまうのは、もったいないと思うのです。
だからこそ、飲み会とは別に、仕事として意見を伝えられる場をつくる。1on1は、そのための一つの方法でした。
日々のコミュニケーションがあってこそ、1on1も生きる
月に1回のミーティングを設ければ、それだけで職場が良くなるわけではありません。
普段からほとんど話をしていないのに、月に1回だけ「何か不満はない?」と聞かれても、部下は話しにくいと思います。私だって、普段まったく話さない上司に突然そう聞かれたら、少し身構えてしまいますし、何か裏があるんじゃないか変に勘ぐってしまいますよ。
だからこそ、日々の声かけも大切です。
「最近どう?」
「この前の営業、大変だったね」
「何か困っていることない?」
「さっきの対応、助かったよ」
何気ない会話の積み重ねが、相談しやすい関係につながっていきます。1on1は、その関係をつくるための特別な時間であり、普段のコミュニケーションの代わりではありません。
また、部下から意見を聞いた後の対応も重要です。「言ってくれてありがとう」で終わるのではなく、改善できることは改善する。すぐに対応できない場合も、理由や今後の見通しを伝える。
そうした積み重ねが、「話しても大丈夫」「ちゃんと聞いてもらえる」という信頼につながるのだと思います。
従業員トラブルを大きくしないためにも
以前の記事では、遅刻や無断欠勤、指示違反など、従業員に問題となる行動があったときの対応について書きました。
こうした問題が起きたときには、事実確認や本人からの事情聴取、注意・指導の記録などが大切です。
ただ、私が今回伝えたいのは、問題が起きてからの対応だけではありません。
普段からコミュニケーションが取れていれば、部下の様子がいつもと違うことや、仕事上の負担が増えていることに気づける場合があります。また、本人が困りごとを早めに相談できれば、問題が大きくなる前に対応を考えられるかもしれません。
もちろん、1on1を行えば問題行動がなくなるわけではありませんし、すべてのトラブルを防げるわけでもありません。
それでも、「問題社員が出てからどうするか」だけではなく、「問題が大きくなる前に、どう関わっていくか」という視点は持っておきたいものです。
飲食店の問題社員対応|トラブルが起きたときに最初にやるべき4つのこと
人を大事にするために、話す時間をつくる
飲食店は、本当に忙しい仕事です。人手が足りない日もあれば、想定以上にお客様が来店する日もあります。そんな中で、部下とのコミュニケーションの時間を確保するのは簡単ではありません。
でも、忙しいからといって、話す時間を後回しにし続けてよいわけではないと思っています。
店長が一人で抱え込まないためにも、部下が我慢し続けないためにも、お互いの考えを伝えられる関係が必要です。
月に1回、労働時間内で1on1を行う。店や会社に一つ、店長に一つ、言いたいことを持ってきてもらう。そして、話し合いの感情を後に引きずらない。
私が行っていたのは、そんなシンプルな方法でした。
大切なのは、立派な制度を作ることよりも、部下が「この人には話しても大丈夫」と思える関係を、日々の中で少しずつ作っていくことだと思います。
コミュニケーションをとる施策を作り、実行すること。
地道な積み重ねが事業を続けていく大きなきっかけになると信じて、コツコツいきましょうね。

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