こんにちは、nobuです。
複数の店舗を運営している飲食店では、「今日、○○店の人が足りないから応援に行ってくれない?」「来週だけ別店舗で働いてほしい」といったこともありますよね。急な欠勤や繁忙期など、店舗同士で助け合う場面は珍しくありません。ただ、「同じ会社のお店だから、別店舗で働いてもらっても大丈夫」と簡単に考える前に、確認しておきたいことがあります。
それが、その従業員と「どこで働く」という約束をしているのかです。
今回は、飲食店で従業員に別店舗への応援をお願いするときに確認したいポイントを、説明していきます。
別店舗への応援をお願いする前にチェック!
最初に結論からお伝えすると、別店舗への応援をお願いすることが、一律にダメというわけではありません。
ただし、人手が足りないからといって、何も確認せずに別店舗で働いてもらってよいとは限りません。まず確認したいのが、その従業員と決めている労働条件です。
特に見ておきたいのが、労働条件通知書に書かれている「就業場所」です。
従業員を採用時や労働条件を変更するときには、給料や勤務時間だけでなく、どこで働くのかについても明示する必要があります。さらに2024年4月からは、雇い入れた直後の就業場所に加えて、将来の配置転換などで変わる可能性がある「就業場所の変更の範囲」についても明示が必要になりました。
別店舗への応援を考えるときは、まず従業員に対してどのような条件を伝えていたのか確認してみましょう。
労働条件通知書については、こちらの記事で詳しく解説しています。
労働条件通知書の「就業場所」を確認
たとえば、A店でアルバイトを採用したとします。
労働条件通知書に、
雇入れ直後:A店
変更の範囲:会社が運営する○○市内の店舗
と書かれていれば、A店だけでなく、将来どの範囲で就業場所が変わる可能性があるのかが分かります。
一方で、
雇入れ直後:A店
変更の範囲:変更なし
となっていれば、前提が違ってきます。
厚生労働省は「変更の範囲」について、将来の配置転換などによって変わる可能性がある就業場所や仕事内容の範囲と説明しています。対象は正社員だけではなく、アルバイトやパート、有期契約の従業員なども含まれますので、注意してください。
厚生労働省が示している記載例でも、就業場所について「本社および全国の支社、営業所」「都内23区内の営業所」のように、変更する可能性のある範囲を示しています。
飲食店であれば、複数店舗で働いてもらう可能性があるのか、特定の地域内なのか、一つの店舗だけなのか。採用するときに「どこで働いてもらう可能性があるのか」を整理しておくことが大切です。
ただし、ここで注意したいことがあります。
労働条件通知書に「変更の範囲」を書いているからといって、それだけですべての別店舗勤務を自由に命じられる、という意味ではありません。実際に別店舗で働いてもらえるかどうかは、労働契約の内容や就業規則、これまでの説明や働き方なども含めて考える必要があります。
そのため、「労働条件通知書に書いてあるから大丈夫」と、それだけで判断しないようにしましょう。書類上の労働条件と実態をリンクさせる。他記事でも言っていますが、それが労務管理を適切に行う、ということなのです。
別店舗への応援をお願いするときに確認したいこと
労働条件を確認したら、実際に応援をお願いするときのことも考えてみましょう。
たとえば、普段は自宅から10分で通える店舗でも、応援先までは1時間かかるかもしれません。店舗によって営業時間や仕事内容、仕事の進め方が違うこともあります。
応援をお願いするときは、次のようなことを事前に伝えておくと分かりやすいでしょう。
- どの店舗で働くのか
- いつ応援に行くのか
- 何時から何時まで働くのか
- どんな仕事をするのか
- 交通費をどうするのか
- 応援先では誰から仕事の指示を受けるのか
また、A店で勤務したあとにB店へ移動し、そのまま仕事をする場合などは、店舗間の移動時間が労働時間になるかという別の問題も出てきます。別店舗への応援という一つの出来事でも、就業場所だけではなく、労働時間や賃金などにも関係する可能性があります。今回の記事の主旨が薄まるので、別の記事で話したいと思うので、今回は移動時間等の話は割愛しますね。
「契約書に書いてあるから」で終わらせない
私も飲食店で働き、店を運営するなかで、従業員同士で助け合う場面をたくさん経験してきました。飲食店では、急に人が休んだり、予想以上に忙しくなったりすることがあります。そんなとき、別店舗から応援に来てもらえることは、お店にとって本当に助かります。
一方で、応援に行く従業員からすると、いつもの店舗とは環境が違います。知らない従業員ばかりかもしれませんし、仕事の進め方が違ったり、通勤時間が長くなったりすることもある。だからこそ、仮に別店舗で働く可能性を労働条件通知書に書いていたとしても、「書いてあるから行って」で終わらせないことが大切だと思っています。
「来週○○店の人が足りないんだけど、応援をお願いできる?」
「急な欠勤で人手不足の店舗を助けに行ってくれると助かります」
そんな一言があるだけでも、受け取る側の感じ方は変わるのではないでしょうか。労働条件をきちんと整えること。そして、実際に働いてもらうときには、従業員ときちんと話をすること。
書類の整備とコミュニケーションの両方を大切にすることが、従業員が安心して働ける店づくりにつながります。
複数店舗を運営していて普段から応援勤務があるなら、人手が足りなくなってから考えるのではなく、採用するときから「どこで働いてもらう可能性があるのか」を整理しておきましょう。まずは、今使っている労働条件通知書の「就業場所」を確認してみてください。
応援先の職場に怖い人いると、ちょっと緊張するnobuより。
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