うつ病の復職面談では何を話す?会社に正直に伝えたい3つのこと

働き方を磨く

休職中の体調が少しずつ回復し、主治医から復職について考えてもよいと言われると、会社との面談が行われることがあります。

復職を希望していると、面談ではつい「もう大丈夫です」「以前と同じように働けます」と答えたくなるかもしれません。早く職場に戻りたい気持ちが強いほど、少し無理をしてでも前向きな答えをしてしまうことがあります。

ただ、復職前の面談で大切なのは、元気な自分を見せることではありません。

復職したあとも長く安定して働き続けられる方法を、会社と一緒に考えることです。

今回は、復職を希望している人が、会社との面談で何を伝えればよいのかを整理します。

復職前の面談は「復職させてもらうための面接」ではない

会社との面談を前にすると、緊張する人も多いと思います。

「正直に話したら、復職できないと判断されるのではないか」

「弱気なことは言わない方がよいのではないか」

「以前と同じように働けると言わなければならない」

そのように考えてしまうのも無理はありません。

しかし、復職できる状態であることと、休職前とまったく同じように働けることは別です。

復職直後は、通勤するだけでも疲れることがあります。仕事中は何とか過ごせても、帰宅後に動けなくなったり、翌朝まで疲れが残ったりすることもあります。

面談で無理に「大丈夫です」と答えた結果、実際の体調と仕事の負担が合わなくなってしまっては、本来の目的から離れてしまいます。

復職前の面談は、自分を良く見せるための場ではありません。

今の自分が、どのような働き方であれば続けられそうかを確認する場です。

1.現在できることと不安なことを分けて伝える

復職前の面談では、休職中の過ごし方や現在の体調について聞かれることがあります。

会社の復職手続きや面談を担当する人によって異なりますが、主に確認されるのは次のような内容です。

  • 決まった時間に起きられているか
  • 睡眠や食事が安定しているか
  • 日中はどのように過ごしているか
  • 通勤時間帯に外出できるか
  • 一定時間、作業に集中できるか
  • 疲れたあとに回復できているか
  • 通院や治療を継続しているか
  • 仕事をするうえで不安な症状があるか

こうした質問に対しては、自分を良く見せようとせず、現在の状態をできる範囲で正直に伝えることが大切です。

朝は起きられるようになっていても、午後になると強い疲れが出るのであれば、そのまま伝えて構いません。

朝は決まった時間に起きられるようになりました。ただ、外出した日は午後に疲れが出ることがあります。

日常生活は安定してきましたが、長時間集中することには、まだ少し不安があります。

「できる」「できない」の二択で答える必要はありません。

できるようになったことと、まだ不安が残っていることを分けて伝えると、現在の状態が会社にも伝わりやすくなります。

なお、正直に伝えるといっても、病気になった詳しい経緯や家庭の事情など、話したくないことまですべて説明する必要はありません。

復職後の働き方を考えるために必要な範囲で、現在できることや、仕事をするうえで不安なことを伝えれば十分です。

会社は、本人から聞いた内容のほか、診断書や産業医等の意見、復職後に予定している業務などを踏まえて、復職の可否や働き方を検討します。

本当は不安があるのに「問題ありません」と答えてしまうと、自分の状態に合わない働き方が提示される可能性があります。

正直に話すことは、復職を遠ざけるためではありません。

復職後の無理を減らすために必要なことです。

2.元の職場や業務に戻ることへ不安があれば伝える

復職時は、休職前の職場や業務へ戻ることを基本として、働き方が検討される場合があります。

そのため、面談では会社から、次のように確認されることがあります。

休職前と同じ業務に戻れそうですか。

復職を希望していると、反射的に「できます」と答えたくなることもあります。

しかし、実際に仕事へ戻ってみなければ分からない部分もあります。元の業務に不安があるなら、無理に「問題ありません」と答える必要はありません。

元の職場や業務へ戻ることを基本に検討されることは理解しています。ただ、復職直後から休職前と同じ業務量で働けるかは、現時点では分かりません。

このように、元の業務へ戻ることを理解していると伝えたうえで、何に不安を感じているのかを具体的に話します。

そのうえで、復職直後の負担を軽くできないか、会社に確認してみてください。

  • 短時間勤務から始められるか
  • 一時的に業務量を減らせるか
  • 比較的負担の軽い業務から始められるか
  • 残業や出張を当面控えられるか
  • 段階的に休職前の業務量へ戻せるか
  • 電話対応や締切の厳しい業務を一時的に調整できるか

例えば、次のように相談できます。

元の業務へ戻ることは理解しています。ただ、最初から休職前と同じ業務量で働くことには不安があります。復職直後は短時間勤務や、比較的負担の軽い業務から始めることは可能でしょうか。

短時間勤務や業務量の軽減が可能かどうかは、会社の制度、就業規則、職場の人員体制、業務内容などによって異なります。

希望した配慮が、すべて認められるとは限りません。

それでも、自分が元の業務のどの部分に不安を感じているのかを伝え、可能な対応を確認することには意味があります。

「元の業務に戻れるか、現時点では分かりません」と伝えることも、一つの正直な答えです。

分からないことを無理に断言せず、どのような方法なら段階的に仕事へ戻れそうかを、会社と一緒に考えてみてください。

3.復職後のフォロー方法を確認する

復職前の面談では、勤務時間や仕事内容だけでなく、復職後の相談方法についても確認しておくと安心です。

会社から「何かあれば、いつでも相談してください」と言ってもらえることがあります。

ありがたい言葉ですが、復職したばかりの状態では、自分から声をかけるのは意外と難しいものです。

休んだことへの申し訳なさから、忙しそうな上司に何度も相談することをためらうかもしれません。「この程度で相談していいのかな」と考えているうちに、つらさを抱え込んでしまうこともあります。

私自身も、復職後は周囲に迷惑をかけたくないという気持ちがあり、体調や仕事の負担について自分から相談することをためらう場面がありました。

だからこそ、「つらくなったら相談する」だけではなく、あらかじめ話す機会を決めておくことが大切だと感じています。

復職する前に、次のような内容を確認しておくと安心です。

  • 困ったときは誰に相談するのか
  • 定期的な面談はあるのか
  • どのくらいの頻度で話すのか
  • 勤務時間や業務内容をいつ見直すのか
  • 体調が悪化した場合は誰に連絡するのか
  • 主治医や産業医へ相談するタイミングはいつか

復職後に自分から相談しにくいと感じているなら、そのことも面談で伝えておきます。

復職後は、自分から相談するタイミングをつかみにくいと思っています。最初の1か月は、週に1回程度、業務量や体調について話す時間を設けていただくことは可能でしょうか。

面談の頻度は、多ければよいというものでもありません。

頻繁に話す方が安心できる人もいれば、何度も体調を聞かれることを負担に感じる人もいます。

会社と本人のどちらかが一方的に決めるのではなく、双方で相談しながら、自分が話しやすい方法を決めることが大切です。

面談前に整理しておくと話しやすいこと

会社との面談では、緊張して話したかったことを忘れてしまう場合があります。

その場で何も思い浮かばず、反射的に「大丈夫です」と答えてしまうこともあります。

面談前に、現在の状態や会社に確認したいことを簡単にメモしておくと、落ち着いて話しやすくなります。

現在できること

  • 起床時間:
  • 就寝時間:
  • 外出できる時間:
  • 集中して作業できる時間:
  • 通勤時間帯に外出したときの状態:
  • 外出後の疲れの残り方:

整理するときは、次のようなことを振り返ってみてください。

  • 決まった時間に起きられる
  • 一人で外出できる
  • 通勤時間に合わせて行動できる
  • 一定時間、読書や作業に集中できる
  • 外出した翌日も普段どおりに過ごせる

まだ不安なこと

  • 体調面:
  • 通勤面:
  • 業務面:
  • 対人関係:
  • 相談面:

具体的には、次のような不安が考えられます。

  • 長時間の勤務
  • 電話や対人対応
  • 締切のある仕事
  • 複数の業務を同時に進めること
  • 残業や急な業務
  • 通勤による疲労
  • 体調が悪いときに相談できるか

会社に確認したいこと

  • 復職後の勤務時間:
  • 担当する業務内容:
  • 短時間勤務や業務量の調整が可能か:
  • 残業や出張の取扱い:
  • 復職後の相談相手:
  • 定期面談の頻度:
  • 勤務時間や業務量を見直す時期:
  • 体調が悪化した場合の連絡方法:

すべてを完璧に整理する必要はありません。

少なくとも、自分が何に不安を感じているのかを言葉にしておくだけでも、面談で伝えやすくなります。

見栄を張らずに話すことが、安定した復職につながる

復職を希望していると、会社に「働ける自分」を見せたくなります。

しかし、無理に元気なふりをして復職しても、実際の状態と仕事の負担が合っていなければ、働き続けることが難しくなるかもしれません。

元の業務へ戻れるか分からないなら、「現時点では分かりません」と伝えて構いません。

短時間勤務や負担の軽い業務から始めたいのであれば、対応が可能かどうかを確認してみてください。

復職後に自分から相談できるか不安なら、あらかじめ話す時間を設けてもらえないか相談してみましょう。

希望した内容が、すべて認められるとは限りません。それでも、自分の状態を伝えなければ、会社も復職後の働き方を十分に検討できません。

復職前の面談の目的は、復職することだけではありません。

復職したあとも、長く安定して働き続けるための準備をすることです。

そのためにも、見栄を張らず、今の自分にできることと不安なことを、できる範囲で正直に伝えてみてください。

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