こんにちは、nobuです。
飲食店に限らずですが、ミスを完全になくすことはできません。注文を間違える。料理の提供が遅れる。仕込みが足りない。忙しい時間帯に連携がうまくいかない。
そんなとき、つい「誰がミスをしたのか」に目が向いてしまうことがあります。もちろん、本人に改善してもらう必要があれば、きちんと指導することは大切です。
ただ、そこで「○○さんがミスをした」で終わってしまうと、また同じことが起きるかもしれません。
ですが、ミスをした人を責めるだけでは、店は良くならない。
私は飲食店の現場にいた頃から、ミスが起きたときほど「なぜ起きたのか」を考えることを大切にしていました。
「誰が悪い?」より「なぜ起きた?」
ミスが起きれば、まず本人に目が向くのは自然なことだと思います。ただ、その人だけに原因があるとは限りません。
そもそも仕事の手順は決まっていたのか。必要なことをきちんと教えていたのか。その日の人員配置に無理はなかったのか。店全体が忙しすぎる状態になっていなかったのか。
こうして一つずつ見ていくと、個人のミスに見えていたものが、実は店側の仕組みにも原因があったと気づくことがあります。
だから私は、ミスが起きたときには次のような点を確認することが大切だと考えています。
- 仕事の手順が決まっていたか
- 必要な教育をしていたか
- 人員配置に無理がなかったか
- 忙しすぎる状態になっていなかったか
- 周囲がフォローできる状態だったか
「誰がやったの?」で終わらせず、「どうして起きたんだろう?」まで考える。それだけでも、ミスへの向き合い方は変わってくると思います。
本人から話を聞く
そして、原因を考えるときに忘れてはいけないのが、実際にミスをした本人から話を聞くことです。
「そのとき、どんな状況だった?」「やりにくかったところはなかった?」と聞いてみると、店長や周囲からは見えていなかったことが分かる場合があります。
例えば、本人は教わったつもりでも手順を正しく理解できていなかったのかもしれません。複数の仕事が重なって対応できなかった可能性もありますし、そもそも店のルールが人によって違っていた、なんてこともあるでしょう。
最初から「本人の注意不足」と決めつけてしまえば、こうした原因には気づけません。
まず事実を確認して、本人の話も聞く。そのうえで、本人が改善することと店側が改善することを整理していくことが大切だと思います。
注意するときに感情的にならないように
もちろん、店の仕組みに原因があったからといって、本人への指導が必要ないわけではありません。本人に改善してほしいことがあれば、私はきちんと伝えるようにしていました。
ただし、感情的に伝えるのではなく、「何が良くなかったのか」「なぜ改善する必要があるのか」まで伝えることを意識していました。
理由が分からないまま「次から気をつけて」と言われても、本人は何をどう変えればいいのか分かりません。店長や上司にとっては当たり前のことでも、働き始めたばかりの人にとっては当たり前ではないこともあります。
注意することが目的ではなく、次に同じことが起きないようにすることが目的です。
感情的に伝えると、何を直せばいいのかよりも「怒られた」という印象だけが残ってしまうことがあります。だからこそ、何が起きたのかを整理したうえで、できるだけ冷静に伝えることが大切だと考えています。
普段話していない人から、突然注意されたらどう感じるか
そして、指導するときにもう一つ大切にしていたのが、普段からのコミュニケーションです。
普段ほとんど話さない。困っていても声をかけない。できていることについても何も言わない。そんな人から、ミスをしたときだけ突然「ここがダメ」「もっとこうして」と言われたら、どう感じるでしょうか。
「急に何?」となっても、不思議ではないと思います。
だからこそ、ミスが起きてからコミュニケーションを取るのではなく、普段から話しておくことが大切です。仕事の話だけでなく、「今日どう?」「ここ大丈夫?」と声をかける。良かったところがあれば伝える。本人からも意見を言える関係をつくっておく。
そうした日々の積み重ねがあるからこそ、注意や指導が必要になったときにも、言葉が伝わりやすくなると私は考えています。
店の問題なら、店として認める
ミスを確認した結果、本人だけではなく、店全体の問題だったと分かることもあります。教育が足りなかった。ルールが曖昧だった。人員配置に無理があった。店側の準備ができていなかった。
そうした問題まで、従業員一人の責任にしてしまうのは違うと思っています。
例えば、料理の提供が大幅に遅れてお客様に迷惑をかけたとしても、一人の従業員だけが原因とは限りません。注文の伝達方法、キッチンとホールの連携、仕込み、人員配置など、店全体の動きに原因があることもあります。
店側に原因があるなら、お客様に対して店としてきちんと謝る。従業員に無理な運用をさせていたのであれば、責任者自身も店側の問題を認める。
責任者が自分たちの問題も認めれば、従業員も「実はここがやりにくかった」「こうした方がいいと思う」と意見を出しやすくなります。
誰か一人に責任を押しつけるのではなく、店の問題であれば店全体で受け止めて、一緒に改善していく。私はその姿勢を大切にしていました。
ミスを減らす準備は、暇な時間から始まっている
ミスを減らすためには、起きた後の対応だけでなく、普段の動き方も大切です。
飲食店では、ランチやディナーなど忙しい時間帯は特にミスが起きやすくなりますよね。ピークに入ってから突然「早く動こう」「周りを見よう」と言っても、簡単にできるものではありません。
私は、ピークへの対応の一つとして、比較的落ち着いている時間帯から次の動きを意識することを大切にしていました。
お客様が帰ったらテーブルを片付け、使ったものは元の場所に戻し、必要なものを補充して、次のお客様を迎えられる状態にしておく。
これは、暇な時間まで常に急いで働くという意味ではありません。やるべきことを後回しにせず、余裕のある時間に準備しておくということです。
ピークになってから慌てるのではなく、普段から準備する習慣をつくっておく。そうすれば、急に忙しくなったときにも店全体が動きやすくなり、結果としてミスを減らすことにもつながると思います。やってはいけないのは、暇な時間に合わせてゆっくり動く。これをやってしまうと、ピーク時の対応が後手後手になってしまいますので。
ミスは店を良くするきっかけになる
もちろん、ミスは起きないほうがいいです。お客様に迷惑をかけることもありますし、働いている本人も落ち込んでしまう。ただ、起きてしまったミスを「○○さんが悪かった」で終わらせても、店の問題は何も変わりません。
本人に改善してもらうべきことは、きちんと伝える。店側に問題があったなら、店側も改善する。
どちらか一方ではなく、両方を見ることが大切です。
ミスは、人を責めるための材料ではなく、これまで当たり前にやってきた仕事のやり方を見直すきっかけにもできます。
ミスをした人を責めるだけでは、店は良くならない。
誰が悪かったのかだけを見るのではなく、「次はどうすれば防げるだろう」と一緒に考える。
私は、そんな積み重ねが従業員にとって働きやすく、お客様にとっても良い店をつくっていくのだと思っています。
ミスと上手く付き合っていきましょう!


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