こんにちは、nobuです。
飲食店では、「明日、人が足りないんだけど出勤できない?」「今日、少し早めに来てもらえない?」と、急なシフト変更をお願いって、たくさんありますよね。欠勤が出たり、予想以上に予約が入ったりすると、誰かに助けてもらわなければならない場面もあります。
私も飲食時代、人手が足りないときの従業員の協力は本当にありがたいことはよく分かります。ただ、一度決まったシフトを「人が足りないから」という理由だけで、お店側が自由に変更してよいわけではありません。
今回は、飲食店で急なシフト変更をお願いするときに、店側が確認しておきたいポイントをお伝えしていきます。
一度決まったシフトは自由に変更できる?
まず押さえておきたいのが、シフトがすでに確定しているのかどうかです。
厚生労働省は「シフト制」を、労働契約を結んだ時点では具体的な労働日や労働時間を確定せず、一定期間ごとに作成するシフトによって、具体的な勤務日や勤務時間が決まる働き方と説明しています。
そして、一度確定したシフトの労働日や労働時間を変更することは、基本的に労働条件の変更にあたり、会社と従業員お互いの合意が必要とされています。労働契約法第8条でも、会社と従業員は、その合意によって労働条件を変更できると定められています。
たとえば、「明日は休みだったけど、人が足りないから出勤に変更します」と店側だけで決めるのではなく、「明日、急な欠勤が出たんだけど、出勤をお願いできる?」と本人に相談することが基本になります。
人手が足りない事情があったとしても、「シフトを作る側だから自由に変えられる」と考えないようにしてください。
なぜ労働条件通知書を確認するの?
シフト変更を考えるときに確認してほしいのが、その従業員とどのような労働条件を決めているのかです。その確認に使える書類の一つが、労働条件通知書です。
労働基準法第15条第1項では、従業員を雇うときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示することが会社に義務付けられています。さらに、労働基準法施行規則第5条では、始業・終業時刻や休日なども明示事項として定められています。
つまり、シフトを変更する前に、そもそもその従業員と勤務日や勤務時間について、どのような条件で働く約束をしているのかを確認する必要があるということです。
厚生労働省もシフト制について、すでに始業・終業時刻が決まっている日がある場合には、その時間を明示する必要があり、単に「シフトによる」と記載するだけでは足りない場合があると示しています。
まず労働条件通知書や雇用契約の内容を見たうえで、実際のシフトがどのようなルールで決められているのかまで確認しましょう。
労働条件通知書については、こちらの記事で詳しく説明しています。
「明日出られない?」とお願いするとき
飲食店では、急な欠勤を完全になくすことは難しいものです。本人や家族の体調不良、学生であれば学校の予定など、さまざまな事情があります。
そんなとき、ほかの従業員に出勤をお願いすることもあるでしょう。ただし、「明日、人が足りないから出勤してください」と一方的に決めるのではなく、「明日、急な欠勤が出たんだけど、もし予定が大丈夫なら出勤をお願いできる?」と相談することが基本です。
従業員にとっては、本来休みだった日です。家族との予定があるかもしれませんし、学校や自分の時間に使うつもりだったかもしれません。
お店が困っている事情を伝えることと、従業員側の事情を聞くこと。その両方を意識したいところです。
出勤時間を変えてもらう場合も確認しよう
「17時からだったけど、今日は忙しそうだから16時から来られない?」「21時までの予定だけど、あと1時間お願いできない?」といった時間の変更も、飲食店では起こりやすいですよね。
こうした場合も、一度確定したシフトを変更するのであれば、本人と話をすることが基本です。また、勤務時間が延びることで法定労働時間を超える場合などは、時間外労働や割増賃金、36協定といった別の確認も必要になります。
シフトだけを見て終わるのではなく、変更した結果、実際の労働時間がどうなるのかまで見ておきましょう。
別店舗へ応援に行ってもらう場合は?
「明日出勤してほしい」だけでなく、「他の店舗へ応援に行ってほしい」というケースもあります。この場合は勤務日や勤務時間に加えて、どこで働くのか、という就業場所も関係してきます。
同じ会社が運営する店舗であっても、何も確認せずに別店舗で働いてもらってよいとは限りません。労働条件通知書などで、就業場所やその変更の範囲についてどのように決めているのかを確認する必要があります。
別店舗への応援については、こちらの記事で詳しく説明しています。
飲食店で別店舗への応援をお願いしても大丈夫?確認したい労働条件と就業場所
急なシフト変更ほど、普段のコミュニケーションが大切
ここからは法律上のルールではなく、私が飲食店で働いてきた経験から大切だと考えていることです。
急な欠勤が出たとき、「大丈夫ですよ。出られます」と言ってくれる従業員がいると、本当に助かります。でも、その協力を「出てくれて当たり前」にしてはいけないと思っています。
本来休みだった日に予定を調整して出勤してくれたのであれば、まずはきちんと感謝を伝える。そして、その従業員が別の場面で困ったときには、お店側もできる範囲で助ける。そんな関係があってもいいのではないでしょうか。
たとえば、その人から「この日はどうしても休みたい」と相談されたときに、できる範囲で調整することも一つです。何か特別なことをするというより、助けてもらったことを当たり前にせず、相手が困ったときにはこちらもできることを考える。私はそういう関係を大切にしたいと思っています。
そして、こうした関係は急なシフト変更が必要になった日に突然できるものではありません。
普段ほとんど話をしない店長から、急に「明日出て」と言われるのと、日頃から仕事のことを話し、「いつもありがとう」と伝えてくれる店長から相談されるのとでは、受け取り方も違うと思います。
もちろん、日頃からコミュニケーションを取っていれば、シフトを自由に変更してよいという意味ではありません。労働条件やルールを守ることを前提に、そのうえで普段から人との関係もつくっておく。この両方が飲食店の運営には必要だと考えています。
シフト変更のルールを決めておこう
急な欠勤が出るたびに、その場で対応方法を考えるのも大変です。厚生労働省も、シフト制で働く場合には、シフトの作成や変更に関するルールについて、あらかじめ会社と従業員で話し合っておくことを示しています。
たとえば、次のような内容です。
- シフト希望をいつまでに出すのか
- シフトをいつ確定するのか
- 確定したシフトをどのように伝えるのか
- 確定後に変更するときは、どのような手続きにするのか
複雑なルールを作る必要はありません。店側だけが分かっている状態にせず、従業員にも分かる形にしておくことが重要です。
誰かの無理でシフトを回し続けない
飲食店では、急な欠勤もあれば、予想以上に忙しくなる日もあります。そんなときに従業員同士で助け合えることは、お店にとって大きな力になります。
一方で、「あの人なら出てくれるから」と、いつも同じ従業員にお願いしていないでしょうか。誰か一人の我慢や善意によってシフトが成り立っているのであれば、お店側も一度考えてみる必要があります。
まず、労働条件やシフトのルールを整える。変更が必要になったときは本人ときちんと話し、協力してもらったら感謝を伝える。そして、助けてくれた従業員が困っているときには、お店側もできることはないか。
ルールを整えることと、日々のコミュニケーション。その両方を大切にすることが、従業員同士で自然に助け合える店づくりにつながると私は思っています。
少ない人数での営業をしている店舗はなおさら大変ですが、少しでも楽に営業できるように応援しています。

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